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ぎゃっぷ  作者: Yuyu
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酔っ払うことも悪くない

パワハラはなくならないよね

「あ、当たってる…!?」


その日俺は人生で初めて二度見をした


俺の名前は獅童文人。ただのアラサーサラリーマンだ。


半年前に行きたくもない飲み会に行って、上司のご機嫌取りをした帰り道にふと、年末宝くじの売り場が見えた


俺は普通の家に生まれて、父親はサラリーマンで母親は専業主婦。姉と兄がいて俺は末っ子の5人家族だ


そんな俺だが、生まれてから今までギャンブルなんてやったことすらない。学校は小学校から大学まで不良のようなことはしたことはなかったし、大人が駄目だということは絶対にしてこなかったいい子ちゃんタイプだった


だが、大学を卒業して何とか入った会社ではやれ人生経験が足りていない、やれ言われたことしかやってこないんじゃ駄目だということばかり言われる


この世はやっぱりおかしい。俺の中学のときの不良で俺も少し虐められた奴が、SNSで人気者になってお金持ちになっていたり、俺よりも成績が悪いのに何故か上司に好かれていて、出世が早い同期の奴など、悪い奴ばかり得をする世の中なのだ


いい子ちゃんだけが損をする世界なんてクソだと思いつつも、いつもどおりの上司におべっかを言う飲み会帰りに宝くじ売り場が見えたのだ


「宝くじかぁ、あれってうまい商売だよなー。客には夢を見させてお金を得る。客は夢を見れるし、店側はただの紙切れが売れてウハウハのある意味winwinの関係なのかな?」


俺は宝くじなどのギャンブルをする奴はただお金を投げ捨てているだけの馬鹿ばかりだと考えていたが、その日は上司からのアルハラでいつもより多く酒を飲まされていたので、普段しない行動をしてしまった


「まぁ、たまにくらいいいかぁあ」


そう人生で初めての宝くじ、つまりギャンブルをしたのだ


「すみませぇん、宝くじって買えますかぁ?」


俺は宝くじ売り場に酔いが回った状態で行く


そうしたら、店頭に立っていた中年くらいのおばさんが対応してくれた


「はい、買えますよ。何枚ご購入されますか?」


「えっとぉ、何枚くらい買うと当たりますかぁ?」


俺が酔っているのに気づいたのだろう、少し顔を顰めながらもちゃんと説明してくれる


「当たるかはわかりませんが、たくさん買った方が、当たる確率は上がりますよ」


「じゃあ、店員さんが枚数決めて」


「それはちょっと出来ないです。取り敢えず、連番とバラのどちらで買われますか?」


俺のダルい絡みには動じずに連番かバラのどっちで宝くじを購入するか聞いてくる中年の店員


俺が連番?バラ?と意味がわからないと戸惑っていると、察したのか中年の店員はそれぞれについて説明してくれた


「連番は宝くじの番号が続いて購入することが出来て、バラは番号がバラバラに購入出来ることです」


中年の店員を説明に、俺はなるほどと思ったが、どっちが当たりやすいのかまったくわからなかった


「どっちの方が当たるですかぁ?」


「連番だと確実に1枚は当たりますが、大きな当たりは出にくいです。バラは大きな当たりの可能性はありますが、逆に1枚も当たらない可能性もあります」


その説明に、小心者の俺はやっぱり宝くじを購入するの止めとこうかなと思ったが、店員にここまで説明させておいてやっぱなしでというのは出来なかった


こういうところが日本人の良いところであり、悪いところだよなぁ


「じゃ、じゃあ連番?というのを一つください」


ちゃんと買うがしかし買いすぎない枚数、3千円分だけ購入することにした


「当たりますように」


中年の店員の棒読みの祈りを聞きながら、俺は宝くじ売り場を後にする


ーーーー


そうして現在、半年前に買った宝くじなんてすっかり忘れていたが、一人暮らしのアパートの部屋の本棚に挟まっていたのを見つけた俺は、一応当選番号を確認しようとスマホで確認すると、思わず二度見してしまった


「え?え?え?」


人ってここまで動揺出来るのかというくらい動揺していた


「あ、当たってる!?」


そうスマホに表示されている当選番号と目の前の紙の番号が一緒なのだ


しかも前後賞での当選なので、合計十億の金額となる


俺は何度も確認した。ちゃんと数字は揃っているか、この当選番号が実は去年のものだったりしないか、他の宝くじの当選番号と間違っていないかなど何度も何度も確認した


その結果、ちゃんと今年の宝くじであり、当選番号も全て合っていた


「よ!」


よ!まで言って、はたと気づく。あれこれ誰かにバレたらやばくね?と


宝くじの今までの当選者は急に知らない人が家に来たり、全然交流がなかった中学、高校の自称友人から連絡が来たりと人間不信になるような出来事が続くのだ


それをネットで見たことのある俺は、叫ぶのを何とか抑えた


俺が住んでいるアパートは家賃が安い代わりに、築年数が古く壁も薄いのだ


こんなところで叫んで、もしアパートの住人に宝くじが当たったことを知られたら、俺にも不幸が訪れるかもしれない


だから、俺は決心した


宝くじが当たったことは、誰にも言わないでおこうと


俺が働いている会社は曜日に関係なく営業している


だから、土日祝日でも俺は出社したりしているが、その分平日に休みがあったりするのだ


そして明日から平日2日間俺は休みである


だから、明日銀行に行って宝くじの換金をしようと考えた


一応社会人である俺は、宝くじを換金するときに必要なものをネットで調べておく


「ああ、やっぱりハンコは必要か」


他にも、宝くじが当選したときに気をつけることや使い方についても載っていて勉強になった


「はぇー、宝くじが当選したことがバレたらまずいのはわかっていたが、気が大きくなって当選した金額全部使い切っちゃって、逆に貧乏になった人もいるのかぁ」


これは気をつけて置かなければなるまいて


そう心に誓いながら、調べ物を続けていると、もう夜中を回っていて明日のためにも早めに寝ておくことにした俺であった

宝くじのお金使い果たすのって何効果っていうんだっけ?

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