変わらない日常の中で
この世界の片隅で、静かに戦う少女がいる。
鏡ヶ原ユナ――外では陰キャで、教室の隅にいることが多い。
だけど彼女の心の中には、誰にも見せない戦士の顔があった。
ネット越しの相棒、ミカの明るい声が支え。
世界の裏側でひっそりと広がる“バグ”を修正するため、今日も彼女は立ち向かう。
そんな日常と非日常の狭間で、ユナは少しずつ自分を見つけていく。
教室の隅っこで、ユナはぼんやり窓の外を見ていた。
外は朝の光がやわらかく差し込んでて、みんなはわいわい楽しそう。
でもユナはいつも一人で、声をかけられてもぎこちなく目をそらしちゃう。
そんなとき、イヤホンからミカの元気な声が聞こえてくる。
「ユナちゃーん!今日もがんばろっ!でも無理しすぎたらダメだよ〜!」
「うん、わかった……ありがとう」
ユナは小さく返事をした。ミカの声は元気で明るいから、ちょっとだけ安心する。
授業が終わると、またあの公園へ。
ミカからの連絡が届いている。
「ラピスちゃん!新しいバグ発見!今日もがんばろうね!」
ユナは静かにうなずいた。
公園の一角で空間が歪んで、黒いバグがうごめいている。
ユナはゆっくり立ち上がり、手をかざす。
「いくよ……」
《クリスタル・シュート》
手のひらからキラキラした結晶が飛び出し、バグに次々命中。
一つずつバグが小さく砕けていく。
「やっぱりユナちゃんすごい!Aランクの魔法少女だもんね!」
ミカの声がはずむ。
けれど、バグはしぶとくて、黒い触手が広がってくる。
「影縛りだね……攻撃を封じられちゃうかも」
ミカの声がちょっと真剣になる。
ユナは落ち着いて魔法陣を描いた。
《蒼聖領域》
青く輝くフィールドが展開されて、自分の魔法が強化され、妨害を無効化。
「これなら大丈夫!」
影縛りの触手を避けながら、ユナは指を動かした。
《七連・星撃ノ律動》
7本の光のビームが連続して放たれ、黒い触手に命中するたびに敵がピタッと止まった。
最後の一撃で、バグは崩れ落ちた。
「終わった……」
「やったね、ユナちゃん!すっごくかっこよかったよ!」
ミカの声が嬉しそうに響く。
ユナは空を見上げて、ふっと息をついた。
でも、どこか遠くで――
ラピスの活躍は、もう社会でも話題になり始めている。
今回の戦いで、ユナの力とミカの支援がひとつに結びつきました。
でも、その強さの陰には、まだまだ知られざる秘密が隠れているのです。
ラピスという名が徐々に世間に知られはじめ、少女の生活は静かに変わりつつあります。
次回も、日常の片隅に潜む非日常を一緒に見届けてくださいね。
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