クリスマス
「クリスマス、恋人たちと過ごすと思っているのは日本だけじゃ!」
荒れ狂っているのは、友達のハーフの子。
クリスマスの1週間前に振られて現在シングル。
「お前をそう思うじゃろ。誠」
「うん。そうだね」
僕は彼女が好き。顔はもちろん。その性格も。漫画や小説でしかしかない話し方。変わってる。
だけど僕はそんな話し方が好き。彼女が好き。
「今年のクリスマスも一緒にお祝いしよう」
「またそうなるのか。いやじゃ」
「お母さんは今年も張り切ってご馳走作るっていっていたよ」
「ご馳走。ゆきおばさんのチキンは最高じゃからなあ。仕方ない、呼ばれよう」
「うん」
今年も、レイは僕の家でクリスマスを祝う。レイは両親が海外に行ったので、高校生になってから一人暮らしになった。だから隣の我が家にご飯を食べに来ることが多い。
今年は無理だけど、来年は二人っきりのクリスマスにしたいと思ってる。
お母さんたちも応援しているし、頑張るぞ。
「誠?」
「あ、なんでもない。授業始まるよ。急ごう」
「うん」
レイに疑いを持たれないように、今は僕はいい幼馴染みを演じている。いつか絶対に彼女の彼氏になってやる。