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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Holidays in the second year.
94/108

88.お正月

この話で2年目のホリデー編終了。

次から最終章俺たちの恋愛事情編スタートします。

残り話数は13話で完結!?

88.お正月

あけましておめでとう

卓と海斗は卓の実家で卓の両親とともに新年を開けた。

遼は福島の実家に帰っていたため一緒ではなかったが

あけましておめでとう今年もよろしく、と携帯にメッセージが届いていた。

海斗は卓の実家にすっかり馴染んでいて、

卓の父親と遅くまでお酒を酌み交わしていた。


三が日の最終日、卓・遼・海斗は3人で銚子の飯沼観音に来ていた。

飯沼観音は、仁王門という大きな門をくぐると、

目の前に本堂と大仏があり左隣には五重塔がある場所だ。

3人は手を清めて本堂で手を合わせた。

本堂の中に入っていくとお守りが売っていた。

「これ!」

卓が見つけたのは絆のお守りだった。

離れていても家族の絆が深まりますようにと願いを込められたお守りだ。

色は3色あり紺・赤・白で、どの種類も金の刺繍で中央に絆と施されていた。

「丁度3色あるし絆のお守りってぴったりじゃない?」

と卓は言うと

「確かに、まぁ家族じゃないけど良いんじゃね」

と遼も言った。

「お揃いがまた増えたね」

と海斗はそう言うと鎌倉の時のストラップを見せながら言った。

「あ、それうちに大事にしまってあるわ」

遼の言葉に、卓と海斗は絶対その辺に置きっぱなしになってるなと思ったが口には出さなかった。

お守りの色は赤を卓。白を遼。紺が海斗が選んでそれぞれお会計を済ませた。

卓は嬉しそうにお守りを見ながら

「このお守り。来年供養しにきてまた同じお守りを買いに来ようよ。毎年この絆が続くことを祈ってさ」

と2人に言った

「またそんな恥ずかしいことを・・・まぁ賛成だけど」

と遼は言うと

「卓らしいよね。でもロマンが会って良いよね」

と海斗もお守りを見ながら言った。

「遼、いい!?ちゃんと持ち歩くんだよ。家に置きっぱなしで無くしたりしないように」

「分かってるって」

と遼は言うと財布の中に仕舞った。


3人はその後本堂の中を見て回ると飯沼観音を後にした。

卓達3人が銚子を選んだ理由はもう一つあった。

飯沼観音から車で10分ほど行ったところに、

卓の先祖が眠るお墓があり、

お正月の顔合わせに行くに合わせて、自分が今仲良くしてくれてる友達を紹介したかったのだ。


石田家のお墓を綺麗に掃除をした後、3人は手を合わせた。


おじいちゃん・おばあちゃん。

これが俺の今大切にしている人達だよ

いつまでも見守っててね。

そう卓は心の中で言い手を合わせた。

ずっとずっと3人仲良しでいられますように。

卓は飯沼観音でも同じように心の中で唱えていた。


3人は銚子を後にして車を走らせていた。

帰路の最中はいつもの様に何気ない話がとびかっていた。

「そういえば、気になってたんだけど・・・

卓が好きな人と付き合ったとして、シェアハウスはどうするの?

さすがに海斗気まずいでしょ」

遼は、卓と海斗に聞くと2人は応えに困ってる様子だった。

「卓が好きな人と一緒になれたら、俺は引っ越すよ。

さすがに一緒に生活は出来ないもんね」

と海斗は笑いながら言うと

「そうだよなぁー。卓も彼女、家にあげられなくなるもんな」

と遼はそう言うと

「もう好きな人は良いんだ」

と卓は言い、続けて

「その人の事はもう諦めたんだよね」

と返した

「そうなんだ・・・」

遼はこれ以上は聞くのは野暮だなと身を引くように話題を変えた。


遼を家まで送り届けて、

卓と海斗2人になり、海斗はさっきの話の真意を確認した。


「諦めたってホント?」

海斗の言葉に卓は

「まぁね!そもそも実らない恋だったし」

卓は海斗と目を合わせずに前を見ながら言った。

「そうなんだね」

海斗はそう言うとそれっきりその話題に触れなくなった。


そして今年、卓と遼と海斗が3人で会ったのはこの日が最後になった・・・


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