79.霧降ノ滝
3人は旅館を出ると霧降ノ滝へ向かった。
79.霧降ノ滝
卓と遼が風呂から出て部屋に戻ったら、海斗はまだ布団の中で眠っていた。
その後3人は朝食を食べ、
10時には身支度を整えてチェックアウトをし、
次の目的地である日光の霧降ノ滝へと向かった。
日本の滝百選に選ばれているこの滝は、落差80mの大きな滝である。
景色巡りの好きな遼の案で、ここが次の目的地へと選ばれたのだった。
近くには無料駐車場があり、そこから10分程度散策すると滝へとたどり着く。
3人は駐車場からテクテクと歩き始めた。
道中は山道だが遊歩道になっていて足場もそこまで悪くない。
「景色最高!凄くきもちぃぃ!」
あたりは森の中で夏にもかかわらず涼しい風が吹き込み
足取り軽くで3人は歩を進めていた。
時々遼は足を止めて周囲の写真を撮り、
卓はその遼を見ながらかわぃぃなぁなどと思いながら見とれていた。
そんな2人をみた海斗が
「写真撮るよー!」
と声をかけて卓と遼の2ショットを撮った
「いつも俺と遼ばっかり撮ってるから、今度は海斗と遼の2人で撮るよ」
と卓は言うと海斗は遼に近づき2ショットを撮った。
そんなこんなしているうちに滝が見渡せる展望台に近づいていた。
だんだんと滝の音が激しくなっていった。
3人が見晴らしの良い展望台へとたどり着くと
滝から感じる爽やかな風とゴゴーっという滝の音が響いていた。
マイナスイオンをたっぷりと感じる3人。
「凄いエネルギーを感じる・・・」
遼はそう言いながら目を閉じて腕を広げた。
海斗はそれを携帯でパシャっと撮った。
「エネルギーを感じるリョウちゃん」
とにやりと笑った。
「どれどれ・・・おぉこれは中々」
卓はそれを覗き込む。
「おい!勝手に撮るなよぉー」
「良いじゃん思い出思い出!遼同じ顔とポーズしか撮らないし面白味がないからさぁ」
と海斗は言うと、卓はそれを見て
「後でアルバムあげといてね!俺の待ち受けにするから」
「それはやめてぇー!」
と卓の言葉に遼は拒否をしていた。
3人はしばらく展望台で楽しんでいると
後ろから60代位の夫婦が展望台に到着し、
旦那さんがカメラを手に奥さんを写真を撮ろうとしていた。
それを見た海斗は夫婦の元に行き
「良かったら写真お撮りしましょうか」
と声をかけた。
その言葉に
夫婦は少し申し訳なさそうに、でも嬉しそうに”お願いします”と言い
海斗にカメラを渡した。
夫婦の少しハニかんだ笑顔と
海斗の元気なハイチーズの声が展望台を暖かな空気が包んだ。
「良かったら私たちも撮りますよ」
撮り終わった後、旦那さんの方がそう声をかけた。
3人はお言葉に甘えて、カメラを預け写真を撮ってもらった。
ありがとうございます。とお互い挨拶を交わして
卓達は夫婦の邪魔にならない様にそっと展望台を降りた。
「海斗は凄いよなぁ・・・知らない人にそんな風に話しかけて」
と遼はもと来た道を戻りながら言うと
「せっかくなら2人で写真映りたいかなと思ってさ」
そういう気遣いがさっと出来る海斗に卓と遼は感心していると
「俺もそういうの気付ける男になりたいなぁ」
と卓はぼそっと言うと
「卓だって、ほっとけないタイプだろ」
と遼は言うと続けざまに海斗も賛同した
「確かに!卓もそんな感じする!」
遼と海斗の言葉に、まんざらでもない顔をした卓は嬉しそうに歩き始めた。
「本当、卓って顔に出やすいよなぁ」
と遼は笑いながら言った。
こんな分かりやすい卓の思いに気付かない遼は超鈍感男なんだよなぁ
などと海斗は思ったが口には出さなかった。
3人は駐車場に着くと次の目的地“日光の東照宮”へと向かった。




