75.ガマ洞窟とガマランド
ロープウェイに乗り下山した後
駐車場にそびえたつ異質な建物に
3人は吸い寄せられるように入った。
75.ガマ洞窟とガマランド
3人は女体山を満喫をした後、ロープウェーを使って下山をした。
つつじヶ丘駅には、ロープウェイの駅の他にもう一つ、ひときわ目立つ建物があった。
建物の上にはガマガエルが鎮座していて遊具などが並んでいる。
実は女体山に向かうゴンドラに乗る前に、後で寄ってみようという話をしていた3人は
早速立ち寄ることにした。
建物に近づくとガマ洞窟と書かれたアトラクションのようなものがあった。
「楽しそう!入ってみようよ!」
と卓は2人の目を見て言った。
あまりにキラキラした目をしていたので
まぁ行ってみるかとなった3人は、入場料を払って中へと入った。
アトラクション内は薄暗くまさに洞窟といった感じだ。
通路は1人ずつ歩けるほどの幅になっていて卓・遼・海斗の順番で一列に並んで進んだ。
卓はワクワクしながら進んでいくと、様子が少し変わっていく。
不気味に光るライトに照らされた人形や妖怪等が並び、
おどろおどろしい雰囲気へと変わっていく。
「うわぁこういうの苦手だなぁ」
そう呟いた遼をよそに、
遼よりも遥かにびくついている卓は
遼の肩にしがみついた。
「卓?」
「俺も苦手ぇー・・・いこぅ!早く進もう!こんな感じだと思ってなかったぁー」
卓はすぐ後ろを歩く遼に体をもたれながら、さらに速足で歩いた。
「ちょっと早いって」
遼もそのペースに追いつくように歩いた。
「ちょっと置いてかないでよぉ」
海斗はその後を追いかけ足早に歩を進めた。
ゴーストマンションの様にお化けの中に突っ込むことは無かったが
卓と遼が2人で怯えながら歩いているのが分かる。
海斗は卓と遼の様子をみて、明らかに自分とお化け屋敷に入った時と卓の反応の違いを感じていた。
(31話参照)
俺の時は手をつなぐだけだったのに、
遼の時はあんなにべったりとくっついてる。
こういう些細な所で卓と遼の長い年月をかけて培った仲を見せつけられる。
まるでカップルの様に歩く2人をみて
海斗は寂しさを募らせていく。
2人だけの世界がありそこには俺は踏み込めない
くやしいなぁ・・・
そうこうしているうちに出口に辿り着いた。
ガマ洞窟は10分ほどで一周回れるくらいの広さだった。
出口を抜けるとそこはレトロな店内で、お土産屋さんにつながっていた。
「あぁ怖かったぁー」
「結構中凝ってたよなぁー」
「ねっ!入場料もそんな高くないのにこのクォリティーは凄いよね!」
3人はそんな会話をしながら2階にあるガマランドへと向かった。
2階はノスタルジックな古びた遊園地のような施設が並んでいる。
昔ながらの滑り台や
100円を入れたら乗れる乗り物などがあったが
どれも壊れており遊ぶことは出来なかった。
昭和感あふれる空間に廃墟の様な不気味さもありながら
どことなくなつかしさもある不思議な空間だった。
周囲に人は居なかったが3人はその雰囲気にのまれていた。
「なんか色々すごいね」
「ふいんきあるよね」
「雰囲気なっ」
しばらくその情緒を堪能した後、ガマランドから出ることにした。
「中々楽しかったな筑波山」
と遼は2人に言うと
「うん!またみんなで来ようね」
「そうだね3人でまた来よう」
こうして筑波山を後にした。




