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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Shared House.
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まいらぶ スピンオフ 【卓の悩み事】

まいらぶ スピンオフ 【卓の悩み事】

桜の時期も終わり、春の軌跡が徐々に移り去っていく。

卓が高校2年生の時の話。


カランコロン

とある喫茶店に入った卓はマスターに挨拶をした。

その様子はいつもと違いどこか落ち込んでいる様だった。


マスターは卓の様子を伺いながら水を机に出した。

「ご注文がお決まりになられましたら、お声がけください」

マスターはいつもの淡々とした様子で席を離れた。

卓は席でメニューを見ながら、どれにするか悩んでいた。

中々決められない様子だった。

「何かお変わりありましたか?」

と、マスターはカウンターでコップを磨きながらさりげなく聞いた。

「大した事ではないんですが・・・自分が人と違うことが嫌だというか・・・普通になりたいんです。」

卓の言葉はどこか寂し気で辛そうに見えた。


マスターはカウンターから離れ卓の前の席に座った。

「私が高校生の頃、同じように悩んでいることがありました

他の人と比べて、自分が違う部分。

劣っている部分。

感性の違いについて考えて悩んでいた時期がありましたが、

ある生物の先生の授業を聞いて救われたんです。」

マスターは自分の体験談を卓の心にすっと解けいるように話し始めた。

「どんな話だったんですか?」

卓の言葉にマスターは微笑むと、

「生物は生き残るために多様性の道を選んだという事です。

例えば人間が皆同じ様に暑さに強かったとしたら、

地球が冷えたら人間は滅んでしまいます。

そうならないために暑さに強い人間と

寒さに強い人間がいて、どちらかが滅んだとしてもどちらかが生き残ることが出来る。

生物は進化の過程で皆違う“個性”を持つようになった。

あなたが今悩んでいる”人と違う所”は、

実は必要な事で劣っている訳でもなく、

一人一人違う“少数派”です。

自分を卑下してはいけない、

貴方は他の人と違くて良いんです。

って言われた様な気がして私はその授業を今でも覚えています。

自分が自分らしく生きることは罪ではありません。

貴方の存在が悪いことなどありません。

卓さん。貴方はちゃんと周りを幸せにしてくれます。」


カランコロン


「あっ・・・卓ここにいると思った」

扉を開いた先にいた遼を見て卓は驚いていた。

「あれ?遼?どうしてここに?新しいクラスの友達と帰ったんじゃないの?」

「帰ってないよ。ちょっと放課後話してただけ。クラス離れても一緒に帰ろうっていっただろ」

「あれ言ってたっけ?」

「言ってたよ。クラス離れるだけで絶望みたいな顔をしてたから

声かけたのに全然聞いてなかったんだなぁ」

「あーごめん」

「まぁでもさ。クラス離れても一緒に帰ろうぜ。小学校からの付き合いだろ」

「うん!」

「あー!走ってきたら喉乾いちゃった!

マスター俺冷たいスカッとしたの飲みたいです」

「はい。承知いたしました」


卓さん。忘れないでください

貴方が生きてるだけで、幸せだと思ってくれる友達や家族がいることを・・・。


次回から3人での夏旅行編スタート

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