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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Shared House.
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67.2人の休日

遼の誕生日が終わり、4月もあっという間に過ぎていた。

5月のゴールデンウイーク

シェアハウスをする卓と海斗の関係も徐々に・・・

67.2人の休日


遼の誕生日会が終わり、4月があっという間に過ぎていき、

気づけばゴールデンウィークに入っていた。


卓と海斗の休みが合う日は3日ほどしかなく、

特に遊びに行く予定も立てていなかったのだが、

卓としてはどこかに遊びに行きたいと思っていた。


できれば卓と遼と海斗と3人で。


ただ3人の日程が会う日は無かったようで、

卓と海斗は2人、のんびりとした休日を自分達の家で過ごしていた。


「なんかさぁ最近思うんだけど家事の分担、2人で差出てない?」

海斗はそう言いながら洗い物をしていた。

「そうかなぁー変わんないと思うけど」

実際家事の分担は特に決まってはおらず、

どちらか気づいた方がやるといった具合だった。

毎日の洗濯、食器の洗い物など細かい作業は海斗が行う割合が多く、

逆に日頃できていない部屋の掃除は卓がやることが多い。

「やっぱり家事分担はした方が良いって!」

「そうするかぁ!じゃあ均等に分けよう!」


2人の生活のリズムを徐々に合わせて行く。

ルームシェアにはかかせない。

特に卓のように実家で暮らしていた人が、

ルームシェアで他人と暮らすとなると尚更だ。

日頃親がやってくれていた事を自分でやらなければならない。


1人暮らしが長かった海斗も

自由きままに1人をエンジョイしていたので

それを合わせるのにも時間がかかっていたようだ。

「遼今頃何してるのかなぁー」

2人がソファーでごろごろしていたとき、卓はボソッと言った。


「また、遼の話・・・最近遼の話ばっかり・・・」

「しょうがないじゃん。好きなんだから・・・海斗も応援してくれるって言ってただろ」

そうだけどさー。

海斗は言いたい言葉を押し殺し

「うん。そうだね・・・好きな人の事って四六時中考えちゃうよなぁ」

と作り笑いでその場を凌いだ。

「海斗ーどっか行くー?暇だしどこか行こうよー」

卓はそう言うと

「いいよぉー。俺はどこでもー」

「どこでも良いって・・・海斗はいっつもどこでも良いって言うけど、毎回俺考えてるじゃんー」

「まぁ卓と居られれば、どこでも良いんだよね」

「それって聞こえはいいけど自分がないみたいじゃん。

俺は海斗が行きたい所聞いてるんだけど」

と卓は海斗に言うと海斗はうーんと考え始めた。


卓は携帯をみながら調べると、

「ちょっと遠いけど、木更津のショッピングモールに新しい雑貨屋さん出来たらしいよ。

そこ行ってみるか!」

と提案をすると

「あっいいね!そこ行こう!」

と海斗は言いながら、部屋着からお洒落なよそ行きの服に着替え始めた。

一方卓は、部屋着のままで海斗の支度を待っていた。

「お待たせー!それじゃあ行こう!」

「なんか随分張り切ってるね」

「だって卓とデートだよぉ!楽しみ!」

「デートってほどのもんじゃないだろ・・・同じ県のショッピングモールなんだから」

と卓は車の助手席に乗りながら言った。

「それじゃあ出発ーー!」

と海斗は上機嫌で車を走らせた。


基本海斗は運転している時は無口で、卓がひたすらにしゃべっていることが多かった。

だが、今日は海斗は上機嫌でテンション高めに会話を楽しんでいた。

卓と一緒にお出かけが久しぶりだったのか、

本当に嬉しそうに車を走らせていた。


2人とも話は弾み、

上機嫌な海斗の姿に卓も嬉しくなってきて、

車から景色を見ながら昔の話をしていた。

「あーこの道!遼と良くここチャリで通ってたなぁ・・・

高校の帰りはこの道を使ってたんだよね!夏は蛙がうるさくってさぁ」

「ふーん!あ、あのラーメン屋さんおいしそう!卓入ったことある?」

「うん!あるよ!俺は美味しかったけど、遼はいまいちって言ってたなぁ!

帰り道よく買い食いして帰ってたんだよねぇ」

「あ、そうなんだぁ・・・俺も食べに行きたいなぁ」

「昼めし家で食べて来ちゃったしまた今度だね。

遼も連れて3人で食べに行こうよ。懐かしいって遼喜ぶぞぉー」


遼…遼…遼…

口を開けば遼ばっかりだ。

俺と一緒にいるのに・・・


海斗はそう思いながら上機嫌だった気分が

徐々にモヤモヤしながら車を走らせていた。


次回、ショッピングモールの中で

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