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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Shared House.
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62.シェアハウス1日目の夜~就寝~

62.シェアハウス1日目の夜~就寝~


海斗がお風呂から上がると2Fでガチャガチャと音がしていた。

海斗は2Fにあがると、卓が自分の部屋でグッズ達を並べていた。

「あれ?まだ整理してたの?」

と海斗はバスタオルで頭を拭きながら聞くと

「うん。まだ完成形じゃなくて手直しがちょこちょこ必要だから」

そう言いながら卓は、せっせと部屋を推しで飾っていく。

「なんか部屋をコーディネートしてる時の卓って生き生きしてるなぁ」

海斗はそう言いながら卓を見ていた。

「うん…そうかなぁ…海斗は自分の部屋かたさなくて良いのか?」

「俺はもう終わったからいいよ」

と海斗は言うので、卓は海斗の部屋をちらりとみた。

「キャラクター同士で分けたりとか、

ハロウィンとかの季節ものは、そのシーズンで分けたりとか

しなくて良いの?」

「え?」

と海斗は言うと、卓は海斗の部屋に入り

「例えばソクミミと別のキャラクターがごっちゃになってるのを

こうやって同じキャラクター同士に分けたりとか」

卓はそう言いながら並べていく。

「ほぅほぅ…」

「これとかイースターとハロウィンが一緒の棚に入ってるし」

と卓は綺麗に並べていく。

海斗はそれを感心しながら見いっていた。


「よしっ。こんなもんかなぁ」

卓は海斗の部屋のグッズ達を並び替えてぴったりと収めた。

「うぉー全然違う部屋みたいだっ!」

「だろっ?俺の部屋は明日やろー」

「ありがとう卓。これは勉強になったよ」

卓にこんな才能があるなんてなぁ…

部屋をまるまる一式こんな風に変えることが出来るなんて

「頭使ったら眠くなってきちゃった」

「そうだなぁ。今日はもう寝ようか」

海斗はそう言うと、2人は同じ寝室へと入った。

広めの部屋に布団が2セット用意されていた。

「そういえば、同じ部屋でよかった?」

「なんで?良いよ別に!

布団まで入れると自分達の部屋狭くなっちゃうし丁度良いんじゃない?」

と卓は言うと布団にダイブした。

「あーもう根っこが生えた!もぅ無理動けないー」

「あっ俺も!」

海斗は卓の方へとのしかかると

「お前はあっちだろー」

と卓は無理やり押したが、体格差のある海斗はびくともしない。

気が付くと目の前には海斗の顔があった。

一瞬ドキっとした卓はすぐにぐるりと反対方向を向いた。

「どうしたの?卓?」

「うんん。なんでもない…良いからもう離れろよ」

と卓は、後ろを向いたまま言った。


海斗はぐるっと回りながら、自分の布団へと向かった。

「俺の布団だけぐちゃぐちゃにして逃げやがって、海斗の奴…」

「嫌なら、俺んとこくる?」

「いや、遠慮しときます」

と卓は言うと、自分の布団の中に潜った。



しばらく2人の間に沈黙が続いていたが

ついに卓が口を開いた。


「ねぇ海斗…俺、両親にカミングアウトしたよ」


卓の言葉に海斗は、えっ!と言いながら座った。

「いつ?どうして?どうだったの?」


海斗の言葉をよそに、卓は反対方向を向いたまま続けてしゃべった。

「この間、ホワイトデーの日。

最初から二人とも知ってたみたいで向こうから聞いてきた。

なんてことない二人だったよ。

いつも通り母ちゃんと父ちゃんだった」

「そうか…すごい勇気だな。俺は未だに嘘をつき通してる」

「全然すごくなんかないんだ…俺、二人に言われるまでずっと隠してた。

俺は、世間から人として劣っている。

必要のない物気持ち悪い物だと扱われると思ってた」

今まで色んなサイトの書込みやSNSを見て

他の人がどんな風に思っているのか

卓は考えていたことを海斗に言った。


「それは違うよ」

海斗は、そう呟くと卓はこくって頷いた。

「他の人がどうこうとかじゃなくて、

本当は、一番、、自分の事を嫌いだった」

卓の震える体をそっと抱きしめる海斗。


「俺は、両親に酷いことした。

自分を自分で否定した。

生きてても価値もないものだと思ってしまった。

誰も愛してはいけないと、

誰からも愛されないと、自分の存在をそう決めたんだ。」

卓の言葉に海斗はぎゅっと強く抱きしめた。


「卓…俺にとってお前は大切な人だ。

だから…自分のこと必要がないだなんて言うなよ」

鼻をすすりながら言う海斗のセリフに

卓は頷きながら

「うん…ごめん…俺は間違ってた」

と卓はぎゅっとした海斗の手を握った。

「卓…辛い時にそばにいてやれなくてゴメンな…俺」


卓が辛い時に俺はそばにいてやれなかった。

何もしてやれなかった。

だから…これからは…これからは…


「海斗…ごめん…めっちゃ痛い」

卓の言葉に海斗はすぐに体をどけた。

「あぁゴメンゴメン。つい力み過ぎちゃって」

「そのまま絞殺されるかと思ったよ」

卓と海斗は目を赤くさせながら笑った。


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