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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Shared House.
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59.夕食は焼肉

ついにこの回ではじめて遼の気持ちに触れます。

59.夕食は焼肉

18時過ぎになり辺りは暗くなり始めた頃ようやく荷解きも終わり、後は整理するだけとなった。

外に山積みになった潰れたダンボールを卓の車の中に入れた。

綺麗に片づけし終わると3人はふーっと一息ついた

「それじゃあ飯食いに行きますか。遼の分は2人で出すから良いよ」

と卓は言うと

「いや卓の分も出すから」

と海斗は言いながら車の運転席に乗った。

「いや俺も出すから良いって」

と卓は言うと

「俺に出させてよ。お願い!」

と海斗は手を合わせた。

「んー。分かったよ」

と卓は不満そうに言うと

「2人ともなんか悪いね」

と遼は言いながら助手席に座った。

「俺の引っ越しでもあるのにさぁ」

と卓はプンプン言いながら、後部座席に座った。

「それで何する?やっぱ焼肉?」

「焼肉いいねっ!」

「食べ放題のお店行こう!」

3人の意見は一致すると。早速車を出した。



「かんぱーい!」

近くの焼き肉屋にたどり着いた3人は、食べ放題を頼んだ。

「お酒じゃなくて良かったの?」

海斗は2人に聞くと

「だって一人飲めないのにお酒頼めないよな」

「うん。良いじゃん。ソフトドリンクで!」

と卓は、嬉しそうに飲み物を飲み込んだ。

「そんな気にしなくていいのに」

と海斗も言いながら飲み物を飲んだ。

ゴクゴクと炭酸を飲みながら、のどが渇いていたのかあっというまに海斗は飲み干した。

「あーうめぇー!」

「なんか酒飲んでるみたいだな」

「ノンアルコールなのにな」

と2人はおいしそうに飲む海斗の顔を見てニタニタとほほ笑んでいた。

「なんだよ。2人して…」

遼と卓が隣同士で座っている2人の姿を見て海斗は少しムスッとした。

「いや、あまりにも美味しそうに飲んでたからさぁ」

「ねっ?可愛いなぁと思って」

「そう?じゃあもういっぱい飲んじゃおうかな?」

「ソフトドリンクだけどな」

と卓は言いながら、海斗は飲み物のおかわりを頼んだ。


「卓には話したんだけどさぁ俺に彼女が出来たんだよね。多分そのうち分かっちゃうと思うから先に言っちゃった」

焼肉を食べながら話しが途切れた時、

急に遼から飛び出た言葉に海斗は動きが止まった。

「まじか?え?いつから?」

「2月始まってすぐ位に友達と合コンじゃないけど、紹介してもらった女性で…」

「ほーほー…」

海斗は遼の言葉を聞きながらちらりと卓の方を見た。

それに気づいた卓は、びくっと体を動かしたまま止まった。

「それは、良かったねぇ!彼女とはもうデートとかは行ったの?」

海斗は続けざまに遼に聞いた。

「あー…この間鎌倉にデート行ったよ」

遼は思い出しながら言った。

「鎌倉かっ!良いねぇー!俺ももう一度行きたいなぁ。あっ?今度また皆でどこか行こうよ。盛り上がるし楽しいよ」

無理に話題を振りながら海斗はそう言った。

「そうだなぁ!次また3人で行こうか。せっかく海斗もこっち来た訳だし」

遼はそう言いながら海斗の話に乗っかった。

「次は、そうだなぁ…茨城とか栃木とかそっちの方へ行っても楽しいよなっ」

と海斗は、そう言いながら卓の方をみつめた。

「そうだねっ!行ったことないし楽しそう」

と卓はどこか無理をした返事をした。

そんな卓の様子を見て遼は心の中にモヤモヤとした何かを感じていた。


海斗に卓が話を振られた時の感じが俺の時と少し違うという違和感。

俺には言えない2人の仲なのか…

思えば今日引っ越しをしている時からずっとあったモヤモヤ…

卓と海斗のシェアハウスが心のどこかで上手くいかないで欲しいと願っている気がする…

なんでだ…

2人とも大切な友達なはずなのに…

この気持ち…



卓を取られたくない?


ずっと親友で仲の良い友達が急に新しい友達を作り一緒に住むのか…

そうかぁ…俺は…親友を取られて…

海斗はそんな奴じゃないだろ…


遼は頭の中でぱっと切り替えた。

「茨城だと筑波山があるし、栃木だと日光東照宮があるし色々と楽しめると思うぞ」

遼は今日一日ずっとあったその気持ちを消し去るように焼肉にかぶりついた。

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