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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Shared House.
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58.引っ越し

卓と海斗の引っ越しが始まる。。

58.引っ越し

3月末日

千葉のとある一軒家に卓と遼の2人と荷物を載せた車を走らせた。

「今日はわざわざありがとうね」

卓は運転しながら、遼に話しかけた。

「ううん。それは良いんだけど…」

遼は後ろの荷物を見た。

後部シートを倒し、その上にぎゅっと敷き詰められた荷物たち。

「結構少ないね。卓もっと荷物あるでしょ?」

「あぁ俺んちは家から近いし、本当に必要なものだけ新居に持って行って残りは実家にしようかなぁと」

「なるほどねぇ。でも海斗とまさか2人暮らしするなんてなぁ…会ってまだ1年経ってないのに、勢いで本当に大丈夫なの?」

遼は半分驚き、半分寂しさのような皮肉が込められた言葉を卓に投げかける。

「まぁもしダメでも俺すぐ家に戻れるし」

「そうじゃなくて…一緒に住むってことは相手の嫌な所とか見えちゃうんだよ。お前、海斗とシェアハウスがきっかけで関係壊れても良いのかよ」

「関係が壊れるのは嫌だけど、海斗の嫌な部分が見えても嫌いにはならない自信があるから大丈夫」

「その自信どっから来るんだ…」

遼は、少し呆れたような表情を見ていると

「この辺かな?」

と卓は適当にその辺を指で示した。

「どこだよ!」

と遼はすかさずツッコミを入れた。


住所としては合っているようで、

2人が車で卓の家を出発して30分ほどで新居に到着した。

2階建てでそこまで築年数が経過していない一般的な一軒家。

ここが卓と海斗が新しく住む家となる。


「お母さんとお父さんも後から車で来るって」

卓はそう言いながら玄関を開けると既に海斗が家の中にいた。

「海斗!先に着いたんだ!」

「うん。思ったより早く電車乗り換え出来てさ」

「連絡してくれたら駅まで迎えにいったのに」

「良いよ。タクシー使ったから」

「タクシー!?」

卓は驚きながら、海斗の肩をグーでぽんと叩いた。

「いてっ」

「もったいないからタクシー禁止!せめてバスにしろよな」

「分かったよ。ごめんね」

と海斗は言うと、

「海斗はお金持ってるからってすぐにポンポン使うだろ。あれダメだからなっ」

意外とケチっぽい所がある卓に海斗は頭を掻いた。

「おいおい。早速、すれ違い起こってるぞ。まだ始まってないのに大丈夫か?」

と遼はニヤニヤと笑いながら言うと

「大丈夫!これ位!」

と卓は言い張り海斗は、キョとんとした顔で見ていた。

「もう無駄口叩いてないでほら運んじゃお!」

卓はそう言うと家へと入った。

フローリングは綺麗にワックス掛けをされており壁紙も純白だったため新築そのものに感じられた。

「へぇ…結構いい家にしたんだね」

「そうそう賃貸の一軒家だし結構家賃も安いんだよ」

と海斗は自慢げに話をしていた。


簡単に間取りを説明すると

廊下の左手側には順にリビングとダイニング、その最奥にキッチンがある。

廊下の右手側にはトイレと物置、2Fへ続く階段がある。

廊下の一番奥は脱衣所になっており脱衣所から風呂場へとつながっている。


「ここがリビングと2人の共同スペース」

と海斗は卓の荷物を持ちつつ言いながら

2Fへと上がると、部屋が3部屋あった。

階段を上がってすぐに2つの部屋と

奥に1つの広い部屋という間取りである。

「卓、どっちの部屋にする?」

と海斗は2つの部屋を指さしたので、収納がスペースが少し広そうな奥の部屋を選んだ。

「じゃあ卓の部屋の方に荷物運ぼうか」

と海斗は言うと3人はバケツリレーの要領で運んだ。

時々重たい物や1人じゃ運べないものがあり、みんなで力を合わせて運んだ。



「3人ともお疲れー」

あらかた運び終わりそうな頃卓の両親が来た。

差し入れに飲み物や食べ物を用意してきた。

「昼飯持ってきたよ。ほら。食べて!」

卓母はそう言いながら手作りのオニギリや唐揚げやらしこたま用意してきた。

「うわぁうまそーっ!」

海斗は嬉しそうに食べ物を見ながら見ていた。

「ありがとうございます」

遼はぺこりとお辞儀をした。

「良いのよ。遼君はわざわざ引っ越し手伝いに来てくれたんだから。2人より多めに食べてよね」

と卓母は遼に微笑むと、遼はぺこりと頷きながら少し恥ずかしそうにした。


可愛いなぁ…遼


卓がそう思いながら眺めているのを

卓母と海斗は見ながら


あ・・・コイツ今遼のことをみて"良いなぁ"って思ってるな


と2人は考えつつ卓をみていた。


ちょうど午後になりお昼を食べ終わったころ

海斗の荷物が大阪からトラックで搬入されてきた。

「さて、午後は量が多いからなっ!頑張らないと」

海斗はそう言いながら、荷物を仕分けしながら中に搬入していく。


1時間ほどでほぼ全ての荷物を出し終わりトラックは撤収していった。


「あとは荷解きだなぁ」

海斗はそう言いながら、山積みになった荷物たちを見て言った。

「とりあえず大きい物から場所決めてって、あとは小物を出していく感じだな」

5人は協力して片付けを始め、ある程度の目処が立ったころに卓の両親は帰った。

残りは3人で荷物を整理していった。


「海斗もキャラクター好きなんだなぁ」

と遼は荷物を解体しながら呟いた。

「うん。そうだよ。俺がキャラクターが好きなおかげで卓と遼に出会えたんだ」

と海斗は卓からもらったぬいぐるみを大きなテレビ台の上にポンと置いた。

「じゃあその隣に…」

と卓は遼からもらったペンタ君のぬいぐるみを置いた。

「それ俺が取ったやつか」

「そうだよ。俺のお気に入りのぬいぐるみ」


卓が海斗へあげた思い出のソクミミ。

遼が卓へあげた思い出のペンタ。


2つのぬいぐるみが不器用に並んでいた。

次回、引っ越し完了。そして夕食!

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