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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Shared House.
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55.卓と海斗のシェアハウス

卓の両親に、いま会いに行きます・・・

55.卓と海斗のシェアハウス

八王子から電車で1時間30分ほど揺られ2人は卓の家へと向かっていた。

「卓…そんなあっさりと決めちゃって良かったの?もっと悩むかと思ったんだけど」

海斗は電車に揺られながら、卓にシェアハウスの話を切り出した。

「まぁ元々、家を離れるのは考えてたことだし。1人じゃ決心つかなかったから。逆に良かったよ」

「遼は大丈夫なの?」

「えっ…どういうこと?」


卓は遼との事を考えた。

「もしさぁ…遼がシェアハウスの事知ったら、海斗に取られたと思って焦るかもなぁ」

「いや、プラス思考か!もし遼が卓の事のことが好きなら身を引くかもしれないでしょ」

海斗の言葉に、卓はぽかんと考えていた。

「あっ!そうかぁ!そのパターンもあったのかぁ!」

卓は急に頭を抱え込んで頭を伏せた。

「でも、遼の事だからきっと…」

海斗は遼のセリフを妄想し始めた。


とある喫茶店。


「へぇ…海斗がこっちに来るのか。そしたら3人で遊べるな」

喫茶店で話を聞いた遼は、コーヒーを飲みながらふーんと頷きながら返事を返した。

海斗が思っていた通りの返事だったなぁ

と卓は思いながら、同じようにコーヒーを啜った。



2人を乗せた電車は、ついに卓の家の最寄り駅へと着いた。

駅からは徒歩で卓の家まで向かった。


卓が家の扉を開け、

ただいまーっと言いながら家に入る。

おじゃましまーすっ、と海斗も一緒に家にあがると

卓の母親がリビングからたったと歩いてくる音がした。


「おかえりー!あらいらっしゃい。海斗くん。2人で話したいことって何なの?」

「あっそれが話せば長くなるんだけど…」

と卓が言うと

「あっ…それはゆっくりの方が良いわね。とりあえず上がって上がって」

卓の母親はそう言いながら、海斗と卓をリビングに案内した。

リビングには卓の父親が座って待っていた。

嵐のようにしゃべる母親とは違い、無口な卓の父がさらに黙っている。


「それで話って何だ?」

卓の父親は2人が席に座るやいなや聞いてきた。

「ちょっとお父さん!まだ早いわよっ!2人からじっくりと聞き出さないと・・・」


うちの親は一体何を期待しているのか…

と思いながら卓は細目で2人を見た。

「あ、あのですね。実は、卓さんと・・・」


お前も何で、結婚の挨拶みたくなってるの?

と卓は横にいる海斗にも細目で見た。


3人ともなんか誤解してるなぁ。

まったく話がややこしくなる前に話しちゃおう。

話をややこしくした張本人がそんなことを思いながら


「俺、海斗とシェアハウスすることにした」

と卓は両親の前で告げた。

「あぁシェアハウス良いわねぇ…えっ話ってそれ?」

「そうだよ。何勝手に誤解してんの?」

と卓は言うと、父と母は顔を合わせながら

「だってぇ…ほぉら・・・ねぇ」

「お前が変な言い回しするからだろか」

と卓の父親は、ほっとした様子で言った。

「それでシェアハウス良いの?」

「別に平気だけど、あんたそんなお金あるの?お給料いつも使い切っちゃって。こういう時にお金が必要だからとっとけて言ったのに」

「それなら大丈夫です。僕が務めている会社の社宅はシェアハウスも出来るので家賃も半分以下で泊まれて友達とも家をシェアしても問題ないんです」

海斗は、そう言いながら社宅のパンフレットをいくつか提示した。

「あらやだ。この部屋住みやすそうじゃない。お互いのプライベートもばっちりだし」

卓の母親はパンフレットを見ながら話をしていた。

「この家ならウチからもそう遠くないし丁度良いんじゃない。この辺なら家賃も安いし一軒家借りても都内で暮らすより安いぞ」

と卓の父親もパンフレットを見ながら話を弾ませていく。


この人達・・・人のルームシェアを楽しんでるなぁ

と卓は思いながら見ていると


「お父さん。そうなんですよ。今はほとんど在宅勤務になっているので会社に行くのも一週間に一度程度でいいんです。ほぼ家での仕事になるので、僕もこの辺で探していたんです」

と海斗は卓の父親にパンフレットを見せながら話をした。

「じゃあ候補としては、こことこことここね」

卓の母親は丸く囲いをし始めた。

「良いですね。なんかとんとん拍子にことが進んで助かります」

と海斗はパンフレットを見ながら言った。


「じゃあ明日、卓と2人で見てきます」

「えっ?もう明日見に行くの?」

「うん。折角だし!ここまでお父さんとお母さんが選んでくれたんだもの!」


この人はいつのまに人の親と仲良くなってるんだ。


人の心に簡単に入り込む・・・

本当に人垂らしの才能ありまくりだろ…


「それなら今日は泊まっていきなさい。ねっ?」

「いいんですか!?是非そうさせて頂けると助かります。」


こいつ・・・鼻からその予定だっただろ…

海斗は、いつの間にか両親と打ち解け会話にすんと入っていった。

卓の父親とビールを飲んで酒を交わして母親と会話を弾ませ、家族の団らんにこんなにも簡単に打ち付けていく海斗をみて、こいつはすげぇなぁと思いながら卓は横目で海斗を見た。



遼は卓の話を聞きながらコーヒーを一口また飲み

「それでもう場所決まったの?」

と卓に尋ねた。

「次の日行って決まったよ。結局引っ越しも楽だからってうちの近くの一軒家に引っ越すことにしたよ」

と卓は、言いながら遼にシェアハウスの話をしたのだった。

次回、3月14日 ホワイトデー

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