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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Shared House.
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53.シロブチ犬グリーティング午前の部

ついにシロブチ犬と会った卓と海斗。

ヲタクのキャラグリの姿を楽しんでください。

53.シロブチ犬グリーティング午前の部

2月1日10時

音楽とともにシロブチ犬がひょこひょこと元気に走り回りながら、スタッフの人が2人登場した。

「か・・・可愛い…」

卓は目を輝かせながらみつめた。

一生懸命走るその姿。

つぶらな瞳。

ピョンピョン飛び跳ねる。

その姿に卓は心を奪われていく。


「それではこれよりシロブチ犬グリーティングを始めます。整列順番に写真を撮りますのでカメラをご準備のうえお待ちください」

アナウンスのお姉さんの言葉に卓の興奮が高鳴っていく。

「あぁやばい…可愛い…どうしよう…」

「楽しみだなぁ・・・」

「何話そう・・・いつも可愛いしか言えないの」

「分かる急にボキャブラリー減るよね」

「うんうん。可愛いしか言えないんだよ。もう可愛い過ぎて」

ヲタクあるあるでどんなに口が達者な人間でもオシを目の前にすると、極端に言葉がなくなるものなのだ。

ところが、会話慣れした人も中にはいて、会話が弾む人も存在する。

その人達の凄い所はキャラクター達の動きを言語化できる所である。

喋らないキャラクターの動きに合わせて何を伝えたいのかを瞬時に理解し会話が出来る人間はそうそういない。


卓と海斗は今か今かと待っていると、徐々に順番が回ってきた。

「どうする?別々に撮る?一緒に撮る?」

「えっ…どうしようどうしよう。分かった10時の回は別々に。13時の回は一緒に撮ろう」

「了解!」

海斗はそう言うとスマホを準備した。

「先、卓行ってきな」

「おっおうっ!」

卓も急いでスマホを準備した。


心臓が高鳴る音が聞こえてくる。

オシが目の前に・・・あぁ可愛い…動いてる…あと一組…

心の準備が。


『シロブチくーん。

会いたかったよー

今日も元気いっぱいだね。

朝ごはんはもう食べたの?』


よしっ!これでいこう。

当たり障りのない会話。


「カメラお預かりしますね」

スタッフにカメラを預けてそしてついに卓の番へとやってきた。

こちらに気付いたシロブチ犬がピョンピョンと飛び跳ねながら卓の事を見つめている。

「かわいいいっ!シロブチくん!」

卓は、近くに寄るとシロブチ犬も近くに寄り、体をすりすりと寄せてくる。

モフモフの毛皮が卓を優しく包む。

「かわいいっ!シロブチ君!モフモフ」

あぁ癒し…まじで癒し!最高!

「あっ…あの…」

卓はシロブチ犬がうんうんと頷きながら聞いてる顔を見て、尊さのあまりに言葉を失っていく。

「か…可愛いシロブチ君」

「はいそれじゃあ、シロブチ犬くーん撮るよー」

スタッフの言葉に我に返った卓は急いで向き直る。

シロブチ犬がすりすりと体を寄せながら近づいていく。


うわぁめっちゃ嬉しい!


卓は満面の笑みをするとパシャっと写真の音がした。

「ご確認お願いします!」

スタッフが卓に携帯を渡し、卓は撮ってもらった写真を見ているとシロブチ犬が横からすりすりと体を寄せて一緒に見てくる。


うわぁシロブチ犬が俺のスマホ一緒に見てる。

やばいやばいやばい。

可愛いっ。


卓は、シロブチ犬の顔を見ながら

「どう?シロブチくん」

と携帯をシロブチ犬に見せるとシロブチ犬はピョンピョン飛び跳ねながら喜んだ。

「可愛い…シロブチくん。じゃあまたね…」

卓は手を振ると、シロブチ犬は小さな手のひらで一生懸命振った。

「可愛いっ!」


最後の最後のまで可愛いなぁシロブチ犬は…


卓は、そう思いながら海斗を待っていた。


「それでは次の方どうぞー」

次は海斗の番である。

「シロブチ君ーー!うわぁ元気ーー?」

海斗の声にシロブチ犬はかけながら海斗に近寄っていく。

「おぉ今日も元気いっぱいだねぇ!朝ごはんいっぱい食べたんだね」

海斗はそう言うと、シロブチ犬はおなかをさすりながらポンポンはじめた。

「おなかパンパンなの?」

海斗はそう言うと、うんうんと頷くシロブチ犬。

「そっかぁーじゃあシロブチくんの元気いっぱいの1人の写真が欲しいなぁー」


海斗の言葉で、シロブチ犬はうーんと考えながら何かしらめいたようでひょこひょこと写真撮る場所に行くと片足に重心をおいて斜めにポーズを決めた。

「うわぁ元気いっぱいの可愛い写真!やばっ」


と海斗はスマホでシロブチ犬の写真を撮ると

「どう?シロブチくん?」

海斗がシロブチ犬に近寄ってスマホを見せるとぐっと手を出した。

「OK!ありがとうシロブチ君。じゃあまた午後も来るね!」

海斗の言葉にピョンピョンと飛び跳ねなが手を振るシロブチ犬

「バイバイーまた後でねー」


海斗のグリの仕方を見て卓は驚いていた。

「慣れすぎでしょ!俺なんか可愛いしか言ってなかったよ」

「へへっ。もぅだいぶ慣れました」

そう言いながら海斗は笑って見せた。

次回、午後の部の前に・・・

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