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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Happy Holidays.
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44.ライトアップ

クリスマスマジック!

44.ライトアップ

卓と遼が観覧車から降りた頃には、日は完全に落ちて遊園地全体が色鮮やかにライトアップされていた。

「寒っ!急に冷えてきたなぁ」

卓は両手で体を摩り体を縮こませながら言うと

「着る?」

と遼はそっと上着を羽織らせた。

「わりぃから良いよ」

「俺暑がりだから寒いの平気」

遼その言葉に卓は下を向きながら

「ありがとうっ」

とボソッと呟いた。


こういう所なんだよなぁ遼が好きなとこ…


卓はそう思いながら遼の方を見た。

「どうしたの?」

遼はそれに気づいて卓を見たので卓は咄嗟に下を向いて

「なんでもない…」

と呟き前を向いた。


「ライトアップ綺麗だね。あっちもすげぇ光ってる」

卓は悟られないように平然を保ちつつ遼にそう言いながら指を差した。

「すげぇよなぁー。本当に!」

遼もそう言いながら景色をパシャパシャと撮り始めた。

「ねぇ、遼。2人でどっかで撮らない?」

卓は、このカップルの巣窟そうくつのような場所でこの言葉を放ってみた。


これで良いならもしかして…


「そうするかっ!あそこなんて良くない?」

遼がそう言いながら指さしたのは、ハート型のモニュメントだった。

「遼これって…」

「ん?なに?折角だから撮ろうよ」


いやハート!?分かってるの!?

想像の斜め上ぶっ飛んでるだけど


卓は言われるがまま写真の列に並んだ。


いやっ!カップルばっかり!

そりゃあそうよ!だってハートだもん!

本当にこいつ何考えてんだかわっかんねぇー

俺の事好きなの!?思わせぶりっこなのか?

いやいや遼ってそんな器用な人間だったっけ?

嬉しいんだけど困惑しちゃうよー!


「卓…?おーい…!」

「ん?何?」

卓は一瞬にして現実に引き戻されていく。

「何か、あれだね。カップルばっかりだね」

「今更!?」


こいつやっぱり何も考えてなかったのか…


「そりゃあそうだよ。だってハートだよ!意味分かってる?」

「なんも考えてなかったわ」

「ったく…でも折角並んだんだし写真撮ろうぜ」

卓はここで食い下がってなるものかとアピールをする。

「そうだなぁ。撮ろう!」


遼ならそう言うと思ったよ。

これはもう脈ありじゃないのか?

このまま今日告白すればもしかして…


卓がそう思っているのも束の間、自分達の撮影の順番が回ってきた。

遊園地のお姉さんがどう撮りますか?と訪ねてくると遼はうーんと悩んで

「ハートでも作っちゃう?」

と遼はまるで普通でしょ…の顔で言い始める。


卓の頭の中に、ハートが渦巻いていく。

「どうしたの?卓…」

「いや。ハートマークってあのハートマーク?」

「あぁそうだよ。俺らの仲じゃん!」

「俺らの仲ってそれどういう意味?」

「こういう意味だよ…卓」

「遼…」

////


うわあああああああ!

やばいやばいやばい!ってな感じ?

それはありよりのあり!?

こいつもしかして誘ってる?こいつも俺の事を!?


ハッと我に返る卓は遼の方をみつめた。

「ほら早く、ポーズ決めて」

と遼はそう言いながら、体を反らし、体全体でハートの半分を作り始めた。


ハートってそっちーー!

手でハートじゃないんかーい!

でも良い!それめちゃ良い!

卓は、それに合わせてハートのもう半分を作った。

「お姉さん。出来てる?これハート?」

遼は必死に体を支えながら言うと

「これ結構きついんだけど…」

「えっ?もう少し右?下?この辺?OK?」

撮れた写真を見て卓はニヤニヤと笑った。


幸せすぎるっ…今日は本当に幸せだなぁ・・・


「良く撮れてるね」

と遼は写真を見ながら言った。

「この写真いる?」と聞くと

遼は"いらなーい"と答えた。

"やっぱりねぇ"と卓は思いながら

この写真も大切に保護フォルダに保存をした。

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