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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Happy Holidays.
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41.遼からのプレゼント

クリスマスといえばプレゼント。

プレゼントなんてめったに送らない遼が卓にあげたプレゼントとは・・・?

41.遼からのプレゼント

卓と遼は遊園地の中のアーケードゲーム広場へと来ていた。

そこには輪投げや玉転がしゲーム、シューティングゲームなどのアーケードゲームが各テナントで行われていた。

景品も様々ありキャラクターのぬいぐるみやおもちゃ等があった。

「あっこれ…」

卓が目についたのは、長方形のペンギンのぬいぐるみだった。

「遼に似てる…」

「えっ!似てないよ!」

と遼は細目をしてみると、ペンギンの細目と重なり、

さらに卓は胸をくすぐられた。

「いや、似てるよ!あれ。欲しいなぁ」

「じゃあやってみる?」

と遼は言うと、卓は頷いた。


卓と遼が挑戦するゲームは、醤油皿のような小皿の上をボールを転がし、一番後ろの皿にぴたりと停めたら景品ゲットできる仕組みである。

強く転がしすぎると、奥には壁がなくボールが落ちてしまい、逆に弱すぎるとボールが途中で止まってしまう。指先のわずかな力加減が必要なゲームである。

玉数は全部で3球。一度でも後ろの皿に乗れば景品をゲットすることが出来る。


「うしっ!俺から行くぞ」

と卓は、腕を振りながら構えた。

「あんまりりきみ過ぎるなよー」

「大丈夫だって!」

という卓の声に遼は不安がよぎる。

「あっバカ!」

思いっきり転がした卓は、ボールが小皿を転がりすぎて奥へとストンと落ちていった。

「強すぎだろっ!1個無駄にしちゃって!次はもうちょい優しくだ優しく!」

と遼は言うと、卓はふわっと転がすと、ちょろりと動いて今度は途中で止まってしまった。


「おまっ!強か弱しかないんかお前!」

「自分、不器用ですから」

「本当にもうっ!こうだよ」

と遼はそう言うと、卓の手に触れた。


卓はびくっと体が動いた。

「どうした?」

「…なんでもない…続けて」

「おぅそうか…」


いやぁあああ!触れられてる!


やばいやばいやばいやばいやばいやばい!

心臓が心臓が!体が密着する…うわぁぁ


遼は卓に体をぴたりとくっつけながら一緒にコロコロと投げた。

球は、ゆっくりと小皿をころがっていき、見事ぴたりと一番奥の皿の上で止まった。


「やったー!止まった!」

「そうだよ!そんな感じ!」

「なんか…前にもこんなことあったような…」

卓は、過去をさかのぼっていく。

「そんなんあったけ!」

「思い出した!ボーリングの時の」

卓はあっとした顔をしながら遼の方を向いた。


高校生の頃、友達とボーリングに行った時、卓は運動神経があまり良くなくボールはあらぬ方向へと飛んで行っていた。

遼はその姿を見て、卓の番になったら今回のお皿のゲームと同じようにくっついてボールを一緒に投げた。

体と体が触れ柔らかい肉が体を包んだ瞬間に好きという感情が溢れ出て来た。

2人でとったストライク。一緒に喜ぶ遼の顔を見て愛おしく感じた。

「遼といるとストライクでるなぁ」

と卓は遼と一心同体のように感じると、遼は卓の方を見て

「まるで一心同体みたいだな!」

と一言いう遼。

自分と同じを思いを遼がしてくれたことが嬉しくて嬉しくてたまらなかった。


そうか…あの時のことか!

たぶん遼は覚えてないよなぁ…


「あぁ…そういえばそんなこともあったなぁ」

「覚えててくれたの?」

「確かに、あんときと似てるよな。シチュエーション」

「あのー。盛り上がっているとこ申し訳ないのですが、手伝ってもらったのはノーカウント

なんですよー。2人とも仲良さそうにやってたのでいえなかったんですが…」

「あっ…」

「しょうがない。卓の仇は俺がとってやるよ」

と遼は、ボールを掴んだ。


遼は1球目を投げた。

ゆっくりとコロコロと転がる球は綺麗に最後の皿の上で止まった。

「えっ。嘘一発で?」

「どうよっ!」

「おめでとうございます!どうぞ!」

店員がペンギンのぬいぐるみを差し出し

遼はそれを丁寧に受け取ると

「はい。卓あげる!」

遼はそのまま卓へと手渡した。

「えっ?これクリスマスプレゼント!?」

「ん?まぁそうなるのかな」

「ありがとう!大事にするね」


遼からもらった初めてのクリスマスプレゼントを

まさかこんな形でもらえるなんて…

卓は嬉しそうな顔をし、遼は少し恥ずかしそうに照れていた。

「遼からもらったペンギン君。名前つけようかなぁ…うーんとペンタくんにしようかな」

「良いじゃない、ペンタ君!ぱっと出てきそうな名前で良いと思う」


卓はペンタ君を抱きながら、アーケードゲーム広場を後にした。

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