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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Kaito and Taku's birthday.
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36.卓の家

36.卓の家

11月22日。今日は、卓の誕生日である。

「今日は遼君。来るんでしょ?」

と卓の母親は2Fの自室にいる卓に向かって叫んだ。

「んー!あと海斗も来るよー!」

と卓は下にいる母親に向かって叫んだ。

「何ー?聞こえないから降りてきてー!」

卓母は階段に向かって叫ぶと、卓がしぶしぶ降りてきた。

「だからあと海斗も来るんだって」

「あらやだ!あの海斗君も来るの?それなら早く言ってよ!母さん張り切っちゃうんだから」

「いや張り切らなくて良いって」

卓の言葉は聞かずにせっせと料理の身支度を整える卓母の姿をみながら、

何を言っても無駄だなぁと自室へと戻った。


2Fの卓の部屋は、シロブチ犬のグッズが所せましと棚に並べられている。ぬいぐるみ等ふかふかしている物は自分のベットの周りに置かれている。

寝具なども一式シロブチ犬で揃えられており、まさにシロブチ犬の為の部屋。

卓はその部屋を2人が来ていても良いように、鼻歌交じりで掃除をしていたのだった。


フフフーン


1階のリビングでは、楽しそうに同じく鼻歌を歌いながら料理を作る卓母と、隣の部屋ではお昼寝をしている卓父。卓の家はそんなどこにでもある普通の家庭だ。


そうこうしているうちに2人が卓の家に着いた。

「あら、いらっしゃい!遼君久しぶりー元気ー?」

海斗と遼が家に着くと、ハイテンションな卓母が陽気に迎え入れた。

「卓ママー、こんにちは。ご無沙汰しています。今日はありがとうございます。」

遼は律儀に挨拶をすると

「そんなに固くならなくなっていいわよ。それであなたが、海斗君?」

卓母、背の高い海斗の方を見て言うと

「あ、はい!初めまして!山田海斗と言います。卓君とはいつも仲良くさせてもらっています」

「海斗君の話は良く聞いてるわっ!すごくいい子だって言ってたわよ。さぁさぁ2人とも入って入って」

卓母はそう言うと、2人を招き入れた。


「2人とも今日来てくれてありがとうね」

卓は自室から1Fの玄関前の廊下に現れた。

「誕生日おめでとう!はいこれ!」

そう言うと、遼は右手に持っていた紙袋を渡す。

「えっ!嬉しい!ありがとう!」

卓は紙袋の中をがさごそと開けてみる。

紙袋の中には、シロブチ犬柄のパンツだった。


「これパンツ!!」

「この間のお土産さ、嬉しかったからパンツがいいかなぁと思って…」


遼からもらったパンツ!パンツ!これに足を通すのか…

幸せすぎる…

卓は心の中で叫んだ。


「俺のはケーキだから後のお楽しみね!」

と海斗は言うと、卓の母親に冷蔵庫を借りに行った。


「じゃあとりあえず俺の部屋行こう!」

卓の言葉に2人はその後ろをついていく。


卓の部屋…初めての卓の部屋興奮する…

海斗はドキドキしながら遼に続いて卓の部屋に入った。


遼は卓の部屋に何食わぬ顔で入ると、布団にぼふんと体を寝かせた。

「久しぶりだなぁ卓の部屋!」

遼はまるで自分の家のようにくつろぎ始める。


卓の部屋だ…卓の匂いがする…最高だぁ

海斗は卓の部屋をぐるりと見渡した。

シロブチ犬だらけだ。本当に卓は好きなんだぁ

と海斗は感心していると

「俺の部屋もなかなかでしょ」

と卓は海斗に言った。

海斗は頷いて一言、良いっとだけ発した。


「ふぅーやっぱ慣れした家は落ち着くなぁ」

海斗が卓の部屋で悶々としている中で、遼は子供の頃から慣れている部屋でゆったりと楽にしていた。

次回、皆でお食事会。

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