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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Kaito and Taku's birthday.
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35.遼のお土産

ついにまいらぶランドもクライマックス

次回から遡っていた時が戻ります。

35.遼のお土産

レトロゾーン

モダンな街並みと古き良き時代の風景が街並みを彩る。

親世代~シニア層をターゲットとしている。


辺りは夕暮れ時になり、さわやかな秋の風が色濃く染めている。

「まだ俺らこの時代生まれてないのに落ち着くのはなんでだろうね?」

と海斗はしんみりとつぶやきながら街並みを散策していた。

「確かになぁ・・・なんかここは時間がゆっくりと流れているって感じ」

「本当だよなぁ…この2日間色々あったけど、もう終わりか…本当に最高の誕生日だったよ。そういえば卓の誕生日は11月22日だっけ?今度は俺が卓をお祝いしに関東に行くよ」

「本当に!?楽しみになってきた」

と卓は胸を躍らせながら話をしていた。

「最高のプレゼントを考えなくちゃなぁ」

と海斗はうーんと考えていた。

「あっ!忘れてた。プレゼントいえば、おみやげ!」

「おみやげって遼の?」

海斗は意地の悪そうな顔をして卓を見た。

「もちろん。あいつのおみやげは大変なんだよ」

と卓はため息をしだした。


卓にとって遼へのお土産…これが最上級に難易度が高い。

遼がお土産として求めるモノそれは…食べ物である。

物欲が少ない彼にとって、お土産でモノを買ってきてもあまり喜ばないのである。

食べ物…そう彼が一番喜ぶ物は知っている…

だが卓は、何か記念としての残るモノを遼にあげたいという気持ちの方が前に出てきてしまう。


「何が良いかなぁ…」

卓の今世紀最大の悩みを聞いた海斗は

「じゃあ、お土産買いに行く?時間がかかりそうだし」

とトレジャータウンの方を指さして言った。

「うん。そうだね。ボチボチいい時間だし」

と卓は頷きながら2人はトレジャータウンを目指す。



トレジャータウン

ショップが並ぶこの通りでは大抵のまいらぶランドの商品がそろう。



卓は、お店の中に入っては、

悩んで、

出て、

別のお店に行って、

悩んで、

出てを繰り返している。


ぬいぐるみ…は、絶対趣味じゃないよなぁ

ボールペン…は、ありきたりすぎるし使わない。

洋服…は、、、?好き嫌いあるだろっ。でも寝巻き替わりに着てくれたら…俺があげた寝巻きを遼が着る…

やばい考えただけでも鼻血案件(笑)

悩むなぁ…

そう思いながら卓はボクサーパンツを手に取った。

こういう可愛い系のパンツ履くかなぁ?

確か遼ってボクサーパンツだよなぁ・・・

えっ、ちょっとまって俺の買ったパンツを履く??

…パンツ!


「ふぎゃあっ」

思わず出た声に周りのお客が卓をみた。

やべぇ声に出ちまった。

でもパンツかぁ、良いなぁ・・・

「下着ってどうなのよ?」

海斗の声にびくっとなる卓。

「海斗!?いやこれはその…俺が着ようかなぁなんて…アハハハ…」

「なら良いんだけどさぁ…下着ってほら好き嫌い分かれるからさぁ」

「そうだよねぇ…アハハハハ…ハァ・・・」


肩を落とす卓めっちゃ可愛い…

遼のおみやげ真剣に悩んでる。

この姿良いなぁ~


卓が次を選んだのはマグカップ…

 おぅそれはなかなかハイセンスだなぁ。それに決めちゃえ~

あーまた置いたよ…

 何をそんなに迷ってるのんだ??

まぁでも分かるような。やっぱ大好きな人に渡すんだもの。

卓は遼に何を渡すんだろうかぁ…

海斗はそう思いながら卓の事を観察していた。



「んで!これがそのお土産…」

とある喫茶店。

卓は遼のお土産を散々悩んだ話をして袋の中に入ったお土産を机の上に出した。

「そうそうめっちゃ悩んだんだよ。遼的にはやっぱり食べ物かなぁと思ったんだけど、それだとほらマンネリでつまんないだろ」

卓が渡したお土産の中身を確認して遼は驚きながら笑った。

「ボクサーパンツ!良くサイズ分かったなぁ」

と遼は感心しながらパンツを広げてみた。

「まぁ俺より一回り大きいかなぁと」

「このキャラクターは…あれか、さっき言ってたお化け屋敷の」

卓が買ってきたパンツは黒い無地にゴルディータの総柄だった。

「そうゴルディータ!なんかこのキャラクターはまっちゃって…」

「へぇー良いじゃん。このボクサーパンツ!こんなんいくつあっても良いもんなぁ」

と遼は嬉しそうにパンツを眺めているのを卓は嬉しく感じていた。

「良かった。喜んでくれて…」

「なんで?俺の為に一生懸命選んでくれたんだもん。大事に履かせてもらいます」

遼のその言葉に卓は舞い上がるほどに嬉しくなった。

「あっ…そうだっマスターにも」

卓の言葉にマスターはいつもより少し速足で卓たちの席に駆け寄った。

卓がマスターに手渡したのはゴルディータの顔が一面にくっついているマグカップだった。

「ありがとうございます。卓様。大切に使わせていただきます」

とマスターは深々とお辞儀をした。

「あっ良いんです。ここで美味しいコーヒーを淹れて頂いてるので。いつも本当にありがとうございます」

卓の言葉に少しだけ微笑んだマスターをみて遼は嬉しくなった。


それでさぁ…と、お土産トークもひと段落ついた後、卓は話を切り出した。

「俺の誕生日って覚えてる?」

卓の唐突の言葉に遼はうーーんと考えながら

「今日だっけ?」

と遼は苦笑いをした。


違うよ遼のバカッ。


「11月22日、再来週だよ。なんでこんだけ長い付き合いなのに忘れちゃうんだよ」

「ごめん。そういうの覚えるの苦手なんだよね。でも自分から誕生日お祝いしてもらいにいくスタイル好きだよ」

本当は俺からじゃなくて遼からいってもらいたいんだけど…まぁいいか

「それでさ、その日海斗がうちに泊まりに来るんだけど遼も来る?」

「卓んちかぁー。いつぶりだっけ?」

「3か月ぶりかなぁ。うちの母さん会いたがってたよ」

卓の一言に遼は少し考えるような顔をした。

「卓ママかぁ…。料理上手いんだよなぁ・・・」

「みんなそれ言うけど俺はそれに慣れちゃったっからなぁ」

「それは舌が肥えているんだよ。俺も予定空いてるし。行くよ。3人で会うのも久しぶりだし楽しみだなぁ」

そう言ってほほ笑む遼の顔がたまらなく好きな卓は、

どんな形であれ遼が卓を祝ってくれる事が、とてつもなく幸せだったのだ。

次回、卓の誕生日会開催!

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