24.大阪のタコ焼きはめっちゃ美味い
24.大阪のタコ焼きはめっちゃ美味い
「それでその後どうしたの?」
とある喫茶店で、卓の大阪での話を興味津々に聞いている遼。
「あの後はタコ焼き食べたんだけど、これが、トロトロで旨かったんだよなぁー」
「へぇー良いなぁー。やっぱ大阪行ったらタコ焼き食べないとなぁ」
と遼は、美味しそうなタコ焼きを想像していた。
「卓様。遼様。よろしければどうぞ」
マスターがササッとテーブルに持ってきたのは、、、、タコ焼きだった。
「えっこれ?」
「失礼ながら先ほどから大阪の話をされておりましたので、そういえばと、冷蔵庫に本場タコ焼きが冷凍されているのを思い出しまして、女房に温めていただきました。よろしければお召し上がりください」
マスターは顔色一つ変えずたんたんと話をしている。
「良いんですか?美味そー!」
「マスター。ありがとうございます」
卓と遼は、ほくほくに温まったタコ焼きに目が釘づけになった。
「いつもご来店して頂いておりますのでサービスでございます」
卓と遼は嬉しそうにタコ焼きを頬張った。
「あっちっ…ほっ…うまっ…」
「そうそうこの味!思い出すなぁ…」
卓は大阪のことを思い出していた。
「せやろせやろ。大阪のタコ焼きといえばうちやねん」
こてこての大阪弁をしゃべるタコ焼き屋さんの亭主。
カウンター席で話しながら食べていた。
「本当!めっちゃうまいよ」
と卓は、ほくほくのタコ焼きを食べていた。
「海斗君はいつもウチの店で買ってくれてるんで、感謝してますわ」
タコ焼き屋の店員はアツアツの鉄板と闘いながら、汗を垂らしタコ焼きを作りながら話している。
「ほんとっ。おっちゃんの作るタコ焼きは世界一ですよ」
「ちゃう。ちゃう。おっちゃんちゃうねん。お兄さんや。しばきたおすぞ」
「もうそんな年じゃないくせに」
「こいつ…言うようになったなぁ。大阪来たての時はまだこーんなちっこかった癖に」
「あほか、そんなちっこないわ。3年しかまだいないのにそんな大きくなるかボケ!」
海斗…めっちゃ大阪弁使いこなしる…
これが大阪に染まるってやつか。
でも、さっき駅の時では大阪弁、つたない感じでしゃべってたけど、もしかしてわざと?
それとも関西の人と関東の人で使い分けてるのか
どっちにしてもすごい男だな
「それでお兄さんは、どこから来たん?」
考え事をしている最中に急に来る言葉にびくっとなる卓。
「あっ俺ですか?千葉から来ました」
「そかそか。ピーナッツの」
「そうです。ピーナッツの千葉です」
「はるばるそんなとこからこっち来たんやなぁ」
「はい。海斗の誕生日だったので…お祝いに」
「何!?それを先に言わんかいボケ!」
大阪弁に委縮してしゅんとなる卓に
「おっちゃん。言葉きついねん。卓がびくついてもうたやろ!気いつけてぇ」
「おぉスマンスマン。ほなおまけにつけたるわ」
タコ焼き屋のお兄さんは、タコ焼きを船にいくつか乗せて渡した。
「あ、ありがとうございます!」
「ちゃう。そういう時は大阪だと、おおきに!、や」
「おおきに!」
「そや。素直なええ子やな。それに引き換え、このデカぶつは」
「デカぶついうなや!大阪に染まってしまったから仕方ないやろ」
「それは間違いないなぁ。でも大阪サラブレットの俺からしてみたら、君らはまだまだ関東の人間やな」
タコ焼き屋の店員はそう言いながらたこ焼きを焼いていく。
「まぁ、海斗…なんや誕生日おめでとう」
照れくさそうにいうタコ焼き屋の店員は
恥ずかしそうに鼻を指でこすりながら小声で言った。
「おっちゃん。おおきに!」
「だからおっちゃん言うなて!ほんまっ分からんやっちゃなぁ!」
タコ焼き屋の店員はそう言いながらも
少し照れた様子を見せていて、
卓もその様子に気づいて大阪の言葉はきついけど根っから怖いわけじゃないんだなぁと
理解し少し安心した。
2人はお兄さんの店を出た後
「ごめんね。卓。あの人けっこうきつい関西弁使うから、でも味は美味しいし根は良い人だから」
「それは伝わったよ。ありがとう良い店を紹介してくれて」
と卓はそう言いながら笑って見せた。
「大阪弁ってきついなぁ」
遼はマスターからもらったタコ焼きを食べながら、話を聞いていた。
「でも、そんな悪い人でもないんだよなぁ。」
と卓は、タコ焼きを食べながら言った。
「ふーん。ちょっと調べるからお店の名前教えてよ」
「確か、『とあるタコ焼き屋さん』とか言ってたなぁ」
卓はうろ覚えのお店の名前を言った。
遼はスマホで検索した。
「おっ…あったあった。へぇー結構有名な店らしいねぇ。昔からあるみたいだよ」
と遼は、言いながらスマホ見ながら言った。
「そういえば、このお店も『とある喫茶店』でしょ。なんか名前似てるよねぇ」
「偶然でしょ。偶然!」
と遼は、タコ焼きを食べながら口に頬張った。
「そっか。たまたま似てる名前の店なんていくらでもあるもんね」
「そうそう。んでタコ焼き食った後どうしたんだよ」
「んーとね…あっそうそう。通天閣!見に行ったよ!俺が高い所好きだからって選んでくれたんだよね」
「通天閣かぁ!どんな感じの所なの?」
「通天閣も面白かったよ」
卓は、通天閣での出来事を思い出していく。
次回…通天閣に登る2人




