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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Kaito and Taku's birthday.
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21.11月のとある喫茶店で

今日から新シーズン!

21.11月のとある喫茶店で

時はさらに進み、暑かった夏も終わり、涼しい風が漂う秋のとある11月の日。

千葉のとある喫茶店にて卓と遼はコーヒーを飲みながら話をしていた。

「こうして会うの本当久しぶりだな。いつぶりだっけ?」

遼は、コーヒーを少し口に含んで話を始めた。

「8月の旅行以来だよ。だって最近の遼はフェスで忙しそうだったし」

さみしかったんだぞ!遼と会えなくて…

遼はこのシーズンになると自分の好きなバンドを巡り

休みの日はほぼフェスで時間が埋まり卓と会う時間が極端に減っていた。

卓は一度だけ一緒にフェスへ行ったことがあったが、

人の多さと熱気にやられて1日でダウンしてそれ以来行っていないのだ。

「それで?もうシーズン的には終わりなの?」

卓は、遼に言うとあぁと頷きながら言った。

「やった!それじゃあこれからはずっと遼と会えるね!」

卓の喜ぶ顔をみながらそうだなっと何事もないかのようにコーヒーを続けて飲んでいる。

「本当に遼と会えなくて寂しかったんだよ!」

卓は久しぶりに遼に会ったことでグイグイと攻めたことを言っていく。

「そっか。そんなに俺に会いたかったのか。」

今までそっけない態度だったのに急に来る遼の言葉に心を揺さぶられる卓。

「まぁ、別に!そんな会いたかったわけでもないんだけどさっ」

強がる卓に、遼はツッコミを入れる。

「何それ?ツンデレ?」

「ち…ち…違うよっ。ただ俺は…」

顔を赤めながら下を向ける卓。


「そんで、俺がいない寂しい時間を過ごした卓君は何をしていたのかな?」

遼は意地悪く聞いてくる。

「海斗の誕生日に大阪に行った…」

「あぁ!なんか連絡あったなぁ」

「その連絡が返ってきたの3週間後とかだったけどな」

と卓はムスッとした様子で言った。

「あぁ、わりぃわりぃ」

本当に悪いと思っているのか。こいつ…

「卓だから良いかなぁと思って」


そ…それは喜んでいいのか?どっちなんだ?

それは返事遅くても大丈夫なほど仲が良いってこと?

でも恋愛対象だったら、きっとすぐ返すのか?

だとしたらすぐ返して欲しいけどなぁ


「まぁ、それだけ仲が良いってことかな」

と遼は卓の顔を見て言うので嬉しくなってついつい許してしまうのだった。

「俺も、そこまで気にしてないから良いんだけどさ。でも早く返してくれないと寂しい」

「分かったよ。これからは早く返すようにするよ。それで大阪行ったんだろ?話を聞かせてよ」

遼の言葉に卓は、大阪に行った時の話を始めた。





時は9月より少し前の8月の終わりに戻る




「そういえば、海斗って来月誕生日じゃなかったけ?」

電話で卓と海斗が会話をしている。

「えっ!覚えててくれたの?そうだよ!」

海斗は卓が覚えてくれていた事に嬉しくて思わず声を荒げた。

「覚えていたというか…思い出したというか。日にちいつなんだっけ?」

「9月15日だよ」

「ちょうど土曜日だね。遼と一緒に大阪行こうかな?お祝いしに」

「えっ!来てくれるの?やった!」

「でも…遼は無理そうかも…あいつこの時期ほぼフェスで時間費やすんだよ」

「そっか…フェスかぁ…丁度シーズンだもんなぁ。無理そうだなぁ」

「俺一人かぁ」

「来れる?大丈夫?」

「行けるよ!馬鹿にしないでよねっ!」

いや、前に東京で迷ってたじゃん。

「まぁ来てくれるのはありがたいけど、無理はしないでね」

「行く!絶対行く!」

「じゃあ俺はこっちで大阪の連れていきたいとこ用意しとくよ」

「そんな海斗の誕生日なのに…」

「いいの!いいの!大阪は今や俺のホームやで」

つたない大阪弁を話す海斗の声を聞いて、かわいいなぁと思う卓。

「わかった。じゃあ宜しくお願いします」

と卓は、くすっと笑いながら言った。




また戻って11月。




「海斗って大阪弁つかうんだね」

遼はコーヒーが空になった為、マスターにコーヒーのおかわりを告げた。

「そうなんだよ。海斗の大阪弁初めて聞いたけど慣れてない感じだったなぁ。なんか関東の人が大阪弁しゃべる時のあのつたない感じがなんともいえなかったよ。」

卓の言葉を聞きながら、遼はふーんと言いたげな顔をして、一言

「お前ら2人仲いいよなぁ…」

と呟いた。

「ん…うん…まぁねぇ…」

複雑な気持ちの卓は不愛想な返事を返した。

「それでその後どうなったんだよ」

と遼はその返事を軽く流して話を進めようとした時、

マスターがコーヒーを注ぎに机までやってきた。

「失礼いたします。」

コーヒーを丁寧に注ぐマスター。

注がれたコップの中にはコーヒーのほろ苦い香りが全体を包んでいく。

「それではごゆっくりと」

マスターはカウンターへと戻っていった。

「まぁそれで、大阪に行ったわけだけど…」

と卓は、続きの話を語り始めた。

次回、卓が大阪デビュー

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