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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Kamakura.
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まいらぶ スピンオフ【卓・遼 高校編】

まいらぶ スピンオフ【卓・遼 高校編】

あーあっちいいー!

卓は自分の実家で扇風機を浴びながら寝っ転がっていた。

休みの日に炎天下の中クーラーをつけていないのはウチくらいだなぁと思いながら、

扇風機で暑さを我慢をする卓。

扇風機の風と、外から来る爽やかな風が相まって適度にくる気持ち良さ。

こんな暑い日は、あの頃を思い出す…

昔の記憶をしみじみと思い出し始めた。



これは、同じ高校に通う卓と遼のひと夏の思い出の話




「遼かえろーー!」

卓は体育館の前で待っていて遼を見つけて叫んだ。

「じゃあ、帰るかっ」

遼は制服に着替えて帰り支度を始めた。


帰り道、

「あっちいいい!」

炎天下の中、自転車を漕ぐ2人。

入道雲がモクモクとたちこんでおり、青空に広がっている。

絶賛夏休み中の2人。部活を終えた帰り道、自転車で帰っていた時のこと。

「そういえば、なんでバレー部のマネージャーになったんだ?」

「そ…それは……」

遼と一緒の部活に入りたかったなんていえない。

「な…なんとなくかなぁ…ほらっ!俺はどっちかというと影で支える方が得意だし!」

我ながらナイス言い訳だ!

「そっかぁー?一緒にやった方が楽しいと思うけどなぁー」

遼はそう言いながら自転車を漕ぎ進める。


良いんだよっ…俺は、遼と一緒なら何でも…

こんな風に毎日一緒に自転車漕ぎながら帰るのが幸せなんだから


でも、たまに思うことがある。

帰りは毎回オレがあいつのことを待って"帰ろう"って声かけて

一緒に帰っているけど、あいつからはそんなこと誘われたことは一度もない。


本当にオレと帰っていて楽しいのか…

そんな思いに駆られる。。。


「なぁ遼。オレからいっつも"帰ろう"って声かけるじゃん…たまには遼から言って欲しいなぁ」

「あー…いつも卓が"帰ろう"って声かけてくれてるから気にしなかったけど、そうだよなぁ…」

結局この話はここで終わってしまい、何を感じたのか俺には分からなかった。


うっとおしかったかな…

イヤだったかな…


モヤモヤがぬぐいきれぬまま次の日を向かえた。

そして次の日もいつも通り、部活を終えて身支度をしていると


「一緒に帰るから、着替えるの待ってて!」

今まで一度もそんなことない。俺の言葉ちゃんと届いてた。


嬉しい!心の底から沸き上がる感情に

「うん!」

と返事をすると、

ぷふっ…ははははっ…

と笑い始める遼。


「えっ?なんで笑うの?」

「だって…あんまり嬉しそうに返事するからさ!かわいいなぁと思って」


かわいい…!えっ……遼の口からかわいい……

まじかっ…!

さらに嬉しさが込み上げてくる

「い…良いから…早く…してよっ!」

卓は恥ずかしさのあまり顔を赤くしている。

「はいよ!くっふ…ふふっ…『うん!』って…良いもの見れたなぁー」

そう言いながら更衣室で着替えをする遼。


初めて言われた…あの言葉。

今もあの瞬間は脳裏に焼き付いている。


とある夏の思い出…

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― 新着の感想 ―
Chapter of Kamakura.まで読ませて頂きました。 可愛いもの好きの卓くんがカワイイですね。 心情が丁寧に描かれていて良かったです。 鎌倉を3人と一緒に旅行している気分になれて楽しかった…
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