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少数派の恋愛事情~Minority Love~  作者: take
Chapter of Kamakura.
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19.今日の予定

20話で鎌倉旅行編は完結で次のシーズンへ行きます!

19.今日の予定

3人はその後ホテルに戻り、露天風呂で朝日を見ながらゆったりと湯船に浸かった。

目の前に広がる壮大な海の景色もたっぷりと満喫していた。


卓は昨日よりさらに遼の体を意識しすぎてしまい、胸がドキドキと高鳴っていると

「遼って意外と良い体してるよね?なぁ卓?」

と海斗は卓と遼に声をかけるように話した。

「そうかなぁ。昔より太ったんだよね」

と遼と自分の体を触りながらそう言うので

卓は心の中で、いや今の体も俺は良い!、と思いながらも、

何か答えないとまずいと思い、

「んっ…んーっ!良き体」

卓は頭をフル回転させてとっさに出た言葉だった。


「くふっ…ふふっ…」

と海斗は卓のあまりの可愛さに笑いが止められなくなり噴き出してしまった。

「なんだよ!海斗!」

「い、いやぁ!だって…良き体って!」

と海斗は笑い出した。

「だって本当に良いと思ったんだもん」

口を湯船につけ、ぶくぶくとしゃべりだす卓に遼は

「そんなに俺の体に見とれちゃったのか」

と卓を見て言ったので

卓はさらに顔を真っ赤にさせてコクリと頷いた。

「いやめっちゃ可愛い!遼!モテモテじゃん!」

と海斗は笑いながら言うと

「男にモテてもなぁ」

と頭をかきながら言ったのですぐに海斗は

「いやいや。良いと思うよ。2人はお似合いだよ!」

「海斗ーやめてー!」

と卓は、海斗にお湯をひっかけ、遼も続けざまに海斗にお湯をひっかけた。


3人はしばらく露天風呂に浸かっていたが、

卓がのぼせてきはじめたので風呂からあがり、

3人は身支度を整え始めた。

「ちゃんと服乾いてるな」

海斗はそう言いながら洋服に袖を通した。

「あぁ、さすが夏だよなぁ!」

遼も浴衣から私服へと着替えていく。

身支度も整えるとホテルの朝食バイキングへ行くことにしたのだった。


「朝ごはんってあんま食べれないんだよなぁ」

バイキングの席で卓はパンとスクランブルエッグとウィンナーを2、3本だけ乗せて

隣には気持ちばかりのコーンスープが置いてあった。

「卓は少食なんだな」

海斗の前には、ほぼ全ての食べ物が皿の上に並べられて2皿使うほどの大ボリュームだった。

「そういう海斗は食いすぎじゃね!」

遼は、さすが普通の男といった様子で成人男性が食べる量の和食セットが机に並べられていた。


「遼ってキャラがあんま立ってないよなぁ。なんかアニメとかで主人公の友達位の感じだよな」

海斗は、遼の皿を見ながら言った。

「なんかすげぇ小馬鹿にされてる感じだなぁ!」

遼のその言葉に敏感に察知したのが卓だった。

「んー。でもやっぱり普通って良いよなぁ…俺はその方が良い…というか…そのぉ…」

カ・・・カワイイ…卓。恋すると可愛くなるというが本当に気づいてからの卓はめっちゃカワイイ。

「変な卓。まぁ俺は普通な人間だからなぁ」

遼はやっぱり鈍感なんだなぁ。

大丈夫、遼も充分普通じゃないよ。と心の中で思っていた。

「それでこれからどこ行く?」

と遼は飯を食べながらこれからの相談をし始めた。

「鎌倉って他に何があるの?」

「そうだなぁ。まだまだ魅力は沢山あるんだけど…どこかと言われるとなぁ」

「じゃあ!鎌倉の大仏見に行きたい!」

海斗は前のめりに声をあげた。

「大仏!?…まぁ代表だよなぁ」

「大仏は卓との思い出だから行ってみたいと思ってたんだ」

「思い出…あぁ!渋谷ハチ公の像!」

卓は、思い出したように言った。

「なんで渋谷のハチ公前で大仏なのよ」

遼はクエッションマークが頭に浮かんできた。

「ほら。前に喫茶店で、海斗と会うのにハチ公にたどり着けなくて、ようやく合流してハチ公のしょぼさに驚いてそん時に海斗に大仏想像してたの?って言われたって話しただろ?」

卓は必死に説明するも遼はきょとんとして

「そんな話したっけ?」

「したよ。その後、東京ってゴチャゴチャしてるもんな。卓には、迷路だなって言ってたじゃん!」

「えぇ…全然覚えてないんだけど…」

遼は微笑みながら言うのでその顔にカワイイと思った卓はすぐに顔を下に向けた。

やばい…急に来る笑顔は死ぬ…落ち着け…

「ったく遼はいつでも話半分しか聞いてなくて、すぐに忘れるんだから」

俺のことは全部覚えてて欲しい…

「いやでも、そんな一言一句覚えてないって」

遼は笑って言った。

遼よ…好きな人が放った言葉は全て録音されるんだよ

と海斗は2人の会話を聞きながら思った。

結局話は別の方向へと流れ、そのまま大仏を見に行く流れとなった。

3人は朝食を食べ終えると、荷物を整え10時のチェックアウトギリギリまでくつろいでからホテルを後にした。


鎌倉大仏までは、江ノ電で約15分。

そこから歩いて10分位で鎌倉大仏にたどり着く。

3人は、早速江ノ電に乗りガタガタと揺れていく。

昨日の3人は初旅行ということもあり少し落ち着きが無かった為、景色の良さを気づくほどの余裕が無かったが今は違った。

江ノ電から見える青い海や景色を堪能しながら進んでいく。

線路と民家が近くぎりぎりの間を通り目的の駅へと近づいていく。

卓はワクワクした様子で景色を眺め、それを横目に海斗はその姿をみて愛おしいと感じていた。

卓は景色を見ながらちょろと遼の横顔をみつめた。


遼は一体俺のことをどう思っているんだろう…


友達?…親友…?



俺はあいつの心のどこにいるのだろうか?



3人の心を乗せて江ノ島電鉄はガタゴトと揺れていく。



次回、鎌倉大仏へ…

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