8月8日 体育館
昨日、久しぶりに運動したこともあり、少し筋肉痛だった。脚は、ほぼ完治しており、大した問題はなかった。みんなとバスケをして、どこか晴れた気分になっていた。ずっと考えていたこれからのことも、あまり気にならなくなっていた。
ー8月7日ー
柚月に言われた通り、18時50分ごろに薗部体育館に到着した。自転車のカゴに入れていたシューズと運動着を持って、体育館の中へと入っていった。そこには、高校生らしき女の子が4.5人いた。高校生には、ようがなかったので、バスケットゴールのゴール下の壁にもたれかかっていた。
俺は、体育館に来たにもかかわらず、バスケットボールののことを考えることはできていなかった。どうしても、サッカーのことを考えてしまう自分がいた。本当に自分の選択は正しかったのだろうか。同じサッカー部で仲の良かった柴山春翔、中田湊人、菅野翔琉たちが今も頑張っているのだろうか。俺は、体育館の天井に挟まっているボールのうような気持ちになっていた。
そんなことを考えていると、前から、先ほもいた高校生の一人がが歩いてきた。どこかで見たような顔だった。身長は、160cm程でとても可愛らしい顔をしていた。
高校生「あの‥‥‥」
俺 「ん?」
高校生「もしかして、旭さんですか?」
俺 「うん」
高校生「やっぱり、そうか」
俺 「俺のこと知ってんの?」
高校生「もちろんですよ。私のこと知ってますか?」
俺 「いやー、覚えていないな」
なんとなく、見たような気がしていたが、知らないふりをしていた。
高校生「そうですよね。私、柚月さんの後輩の真波っていいます」
俺 「あっ、もしかして‥‥」
真波 「そうです!その、もしかしてです」
俺 「応援来てくれてた子だよね?」
俺の目の前にいたのは、冬の大会で柚月と一緒に応援をしていた"高田真波"だった。確か、真波は、バスケ部だったから、なんとなくつじつまがあった。
真波 「そうですー」
俺 「今日は、練習?」
真波 「違いますよ。旭さんと一緒にバスケする人ですよ」
真波の発言に少し、驚いた。
俺 「そうなの?」
真波 「はい。私が柚月さん呼んだんですよー」
俺 「そういうことかぁ」
真波 「明後日、大会なんですけど、なかなか練習試合する時間がなくて」
俺 「そういうことね」
すると、妹の柚月がやってきた。