10月17日 自信
春翔「明日、いけそうか?」
俺 「たぶんな」
いよいよ、明日は予定していた練習試合だった。正直、自分でもどうなるかわからない。もし、明日結果を出せなかったら、予選のレギュラーは危うくなってくると考えていた。
春翔「お前次第でフォーメーションも変わるんだからな」
俺 「そうだな、チームのカギを握ってる状態かぁ」
春翔「そうなるな」
俺は、二列目に入る予定になっている。ツートップが大屋、春翔の二人。久保、外山が俺の両サイドになる。三列目に、早崎、坂和。そして、DFには、田上、畑川、中釜。そして、GWには金本が入るという布陣のようだ。
俺 「レギュラーになれる条件は?」
春翔「ワンゴールワンアシスト」
俺 「なかなか、ハードル高いな」
春翔「ああ」
明日の練習試合の相手は、黄河大学。偏差値は、それほど高くないが、部活動は充実している。その中でも、サッカー部は大学でも1番人気だ。エースの佐藤は、高校時代から注目されていた。明日は、確実に俺の敵とした目の前に立ちはだかるだろうな。
俺 「佐藤は出るの?」
春翔「さすがに出るだろ」
俺 「めんどくさいなぁ」
春翔「アイツは、来年プロ行く予定してるらしいからな」
俺 「まじかよ」
正直、プロと言われても実感わかないな。この前、動画でスペイン代表のトゥンゲスの様子を見ていたけど、あれは別の次元の話だし。
春翔「俺もプロに行くから応援頼むぜ」
俺 「行きたいチームはあるのか?」
春翔「ああ。まだ、スカウトは来てないけどな」
俺 「どこなんだ?」
春翔がいきたいチーム。どこだろうか?
春翔「俺は、ユーナリスだ」
俺 「は?」
春翔「ハハハハハ」
ユーナリスとは、スペインにあるチーム。春翔の夢は海外ということだろうか?凄すぎるだろ。
春翔「お前はないのかよ?」
俺 「行けるわけないんだから」
春翔「それは、わかんないだろ。最後までまで信じないと」
春翔の言う通りだった。結局、自分がどう思うか。それが一番大事なんじゃないだろうか?スペインでサッカーしようがそんなの関係ない。そう思えたら、きっと変わるんじゃないだろうか?
俺 「見とけよ、明日」
春翔「楽しみだな。明日は、本気のお前が見れるんだな?」
俺 「ああ、そう思ってくれた」
そう思うと、自分の中で自信が満ち溢れてしまっていた。




