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日常で世界を変える(喜早編)  作者: mei


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10月15日 動画


 朝比奈「おはよう!」

 俺  「おう!」


 朝比奈の声に反応し、意識を取り戻していた。昨日は、夜にスマホで動画を見ていたこともあり寝たのは1時を過ぎていた。さすがに、これはしんどいな。


 朝比奈「どうしたの?」

 俺  「いや、何もないけど」

 朝比奈「なんか、眠そうじゃない?」


 やっぱり、バレてしまうか。まぁ、仕方がない。先生は、授業開始の合図を出し、自身が作ったスライドをスクリーンに映し始めた。スクリーンを映し始めたのと同時に、教室内が少し暗くなり余計眠さを増していく。


 俺  「昨日、寝るの遅くなったからな」

 朝比奈「何してたの?」

 俺  「普通にサッカーの動画見てた」


 呆れた顔で俺の方を見てきた。3年生になった俺たちは、授業に出る回数は1年生の頃と比較すると随分少なくなった。それでも、単位を全てとれているわけではない俺は、この「人間科学論Ⅱ」という授業に出ることにしたのだった。


 朝比奈「また、海外?」

 俺  「そうそう。つい見ちゃうんだよな」


 昨日は、スペイン代表のトゥンゲスという選手のゴールシーンを見返していた。あれは、本当に芸術的だった。あんな綺麗にゴールが入るのを見ると、なんだか気持ちよくなってしまうくらいだ。


 朝比奈「あの選手は、有名だよね」

 俺  「お前もわかるのか?」

 朝比奈「そりゃあ、わかるでしょ」


 トゥンゲスを知ってるのは、なかなかレベルが高い。先生は、「人間の考え方」について黙々と話し始めていた。目の前に映し出されたスクリーンには、人間の脳があった。


 俺  「今日の授業って何回目?」

 朝比奈「まだ、6回目くらいじゃないの?」

 俺  「そんだけしか経ってないのかよ」


 俺の中では、もう随分授業を受けたというイメージしかなかった。そんなことを考えていると、隣の席に座っていた朝比奈は、プリントにスライドの重要そうなところを書き始めていたのだった。相変わらず、真面目だな。


 俺  「今日、練習来るの?」

 朝比奈「行くよ、今日Bグラウンドでしょ?」

 俺  「ああ」


 俺も、先生が言った大事そうなところを何となくプリントの端に小さなメモを書いていく。今日も、練習来るのかぁ。忙しくないのかな?


 朝比奈「ちゃんと準備しときなさいよ」

 俺  「任せろ、次ゴール決めっから」


 笑みを浮かべながら書き続けていた。

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