10月13日 別メニュー
朝比奈「じゃあ、今日は別メニュー?」
俺 「そうだな。まだ、日にちはあるし」
ちょうどすれ違った朝比奈に、あれは託すことにした。
朝比奈「外山には言ったの?」
俺 「ああ。なんかあれば言っといて」
朝比奈「わかった」
両手にはペットボトルを持っており、とてもしんどそうだった。
俺 「朝比奈は、就職どうするの?」
朝比奈「何にも決めてないよ」
俺 「余裕だな」
俺も人のことは言えないんだけど。
朝比奈「余裕じゃないよ」
俺 「そんなに焦ってないみたいじゃない」
サッカー部のマネージャーをしていたと言うだけで、引く手あまたな気もするけど。
朝比奈「焦ることはないけど、不安はあるよ」
俺 「そんな風には見えないけど」
俺たちも、もう大学3年生だ。そろそろ真剣にならないといけない年齢にもなってきた。
朝比奈「見えないようにしてるだけよ。今は、サッカーもあるし」
俺 「朝比奈って、高校の時サッカー部だったんだろ?」
朝比奈「うん」
正直、コイツがマネージャーをする意味がわからなかった。たしか、朝比奈は、高校時代に女子サッカーで全国大会に出場した経歴があることも聞いていた。
俺 「なんで女子サッカーあるところいかなかったんだよ?」
朝比奈「まぁねぇ、、、、、、、」
何かを隠しているようだった。
俺 「なんだよ?」
朝比奈「旭がレギュラーとったら教えてあげる」
伝えたくない何かがあるんだろうな。
俺 「勿体ぶるなよ」
朝比奈「ハハハハハ」
満面の笑みで歩き出した。
俺 「どこまで運ぶんだよ?」
朝比奈「部室までだよ」
俺 「だったら、持ってやるよ」
朝比奈の手からスルリと奪い取った。
朝比奈「いいよ、別に」
俺 「近いから大丈夫だよ」
朝比奈「でも、別メニューあるでしょ?」
俺 「そんなに時間かかるわけじゃないだろ」
なんで遠慮してるかわからないけど、軽くなるように持ってあげることにした。
朝比奈「ありがとう」
俺 「持ったから教えろよ」
朝比奈「えー!!」
俺 「当たり前だろ?」
笑い飛ばしながら、部室の方に再び戻ることにしたのだった。朝比奈がどういう理由でマネージャーになったかはわからないけど、卒業するまでにはしれたらよかった。




