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日常で世界を変える(喜早編)  作者: mei


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10月12日 トレーニングセンター2

 自分が知らないうちにため息が出ていた。とにかく、筋力をつけて体力を上げていくしかない。それが試合に出る方だろう。大学のグラウンドから少し離れたジムの中で、最近ルーティンとなっているトレーニングを続けていた。ジムの窓から、涼しい風が入ってくる。汗をかいていた俺にとっては心地よいものだった。ジムに来ていた春翔や湊人たちも、大量の汗を流しながら、トレーニングしている姿が見えた。

 肉体改造が一番目に見えてわかりやすいだろうか?身長175cmであまり筋肉質な体つきではない俺が、他の選手にも負けないようにするには、春翔のようなシャツの下からでもわかる強さが必要なんだ。あれだ、ああいう体になればもっと強くなれる気がした。春翔は、練習終わりというのに、ベンチプレスで自身とさらに闘っていた。オモリを持ち上げるたびに、春の胸筋と腕の筋肉が収縮していく。いつも自信をもってプレーしているが、そこにはそれを裏付ける努力があったのだ。

 汗を浮かべながら、「よっしゃ!もう一回」と大きな声を出した。俺も負けてられないな。一度鏡の前に動き、ストレッチをしてからもう一度取り組むことにした。春翔の近くに行った俺は、オーラを感じ取ってしまう。レギュラーのオーラというか、なんかな。いつの間にか、コイツに怯んでしまうようになった自分に違和感を覚えてしまっていた。俺も、昨年まではレギュラーだった。体を伸ばしながら見つめる。呼吸を整え、ゆっくりとバーベルを下ろす姿は、芸術のように筋肉がしなやかに伸びている。

 しんどそうだけど、あれに耐えることができるからレギュラーなんだろうな。先ほどの反動で持ち上げる。あれがしんどいんだよな。もう、10回目くらいだろうか?さらにしんどさが増してくる頃だ。春翔の後ろからトレーニングを終えた湊人が帰ってきた。湊人の方を見ていると、ダンベルがあった。このダンベル、、、、、、、。もしかしたら?俺はすぐさま手に取り、肩の高さで静かに持ち上げた。そして、ゆっくりと下ろしていく。下半身ではないけど、もしかしたらいいんじゃないか?なんとなく頭の中に浮かんだ。繰り返し行う中で、汗をかいてしまう。背中の筋肉を意識しながら、動かしていく。一度ダンベルを置くと、春翔もちょうど終わったようだった。次の練習試合の目標は、前後半のどちらかで30分間の出場だ。もう、ベンチで見ているなんてこと絶対にしたくないんだ。

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