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日常で世界を変える(喜早編)  作者: mei


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59/80

9月28日 5区

 もうそろそろ、体も仕上がってくる。練習合流を直訴しようか迷っている頃だった。今日はいないが、明日監督が来るからそこで話してみようと思っていた。個人の練習よりは数段面白い。ここ1ヶ月間くらい自分に合わせて別メニュー調整だったがそろそろそれを変えていきたいと思っていた。豪快にボールを蹴り出す春翔がとても羨ましかった。


 ー9月24日ー


 5区の宇内は、大きな疲れを見せずに淡々と走っていた。1位、2位の背中はまだまだ遠いが、懸命に追う。宇内は、興奮と緊張に満ち溢れながら、一歩一歩前へと進んでいく。下位のチームとあまりにも差が広がっているため、タスキを渡さずに次のランナーが走り始めた。いわゆる繰り上げスタート的な感じだった。彼らは、先生の合図とともに一斉にスタートした。

 残り2キロくらいとなった宇内は、アスファルトを軽快に叩いているようだ。宇内より先に帰ってきた1位と2位のランナーの足音のリズムは一定だ。二人の先頭集団は猛烈なペースで飛ばしているように感じる。後続の宇内も必死に追いかけているが前との差がだいぶある。太陽が容赦なく照りつけ、宇内は大丈夫だろうか。アンカーを託された湊人は、ゴール地点で準備をしていた。

 さっき俺の近くにやってきた際には、「俺が抜かすから」と宣言している。どうやったら、そういう風に言えるのか不思議だった。周りの相手がどんな奴かすらわからないのに堂々と宣言できるのはさすがとしか言いようがなかった。まぁ、サッカーでもそうだけど。試合に出ていない場面でも、いつも自分を出場させろと吠えている。あれは、ハッタリではないのか疑問だった。

 でも、正直、湊人みたいなやつが活躍するのを見てみたいというのが本音だ。宇内は、最後の力を振り絞りながら体力の限界に挑んでいるようだ。汗が滴り落ち、表情も険しくなっている。大きな声を出しながら、宇内にエールをおくった。もう少しでゴールだ。湊人は、笑顔で迎えてくれるみたいだ。タスキを受け渡した宇内は、地面に倒れ込み荒い息で呼吸をしていた。道の端に転がりながら、林たちから水を受け取った。

 タスキを持って走り出した湊人は、周りの生徒からが声援を送られている。彼らの声援が、湊人の走りが後押しになっている。かなり飛ばしているけど大丈夫だろうか?最後のコースは、アップダウンの後、最後グラウンドを1周して終わる。俺たちの結末はどうなるのだろうか?

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