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日常で世界を変える(喜早編)  作者: mei


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9月25日 2区

 昨日の駅伝を終え、俺は脚が筋肉痛を起こしていた。ちょうど部活動がないとは言え、本気で走り過ぎた。部活は、明後日から再開するから、この二日間でなんとか回復させる必要がある。いつものように、風呂上がりにストレッチをしながら、早く回復するように祈っていた。この脚が完全復活したら、もう一度俺はあのコートで輝けるのだろうか?自問自答しながら天井を見つめていた。


 ー9月24日ー


 後半とかなり距離を離して、ゴールまで来た。ここまで、なんとか飛ばしてよかった。ゴール前には、湊人が大きな声で迎えてくれる。俺は、最後の力を振り絞ってフィニッシュラインへと向かっていた。激しい息遣いが夏の終わりを感じさせてくれる。足取りは重く遅いがなんとか一歩ずつ足を進ませる。そして、第2区の林へとタスキをつないだのだった。林は、少しダルそうな面持ちだったが、走らないと仕方がないといった様子で走り出した。ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。なかなか呼吸が思う通りに行かない。まだ、次のランナーは帰ってこない。これだったら、なんとかいけるだろ。俺はそう考えていた。

 次の走者が帰ってきた。しかし、その背後にもう一人の若者が迫っていた。他のチームは、速く走るように指示が飛んでいる。しかし、二人ともそんな余裕はないみたいだ。タスキをとった選手は、とても鋭い眼光と引き締まった筋肉をしている。1位ではないけど、この選手も普段の部活では、とても活躍しているんだろうなとなんとなく思っていた。ゴール間近に迫ったタスキの受け渡しポイントで彼らは何を考えるだろうか。先を行く走者が最後の力を振り絞って腕を伸ばす。それに応えるかのように受け取る走者は身を乗り出してタスキを掴もうとしていた。そして、指先がかすかに触れ、タスキは手に握られた。2区の選手はタスキをもち、走り出した。俺が走っていた時もあんな感じだったのかな?そして、後続の選手たちも次々とタスキリレーが行われている。今にも前を走る仲間を追い越さんばかりの勢いで、走り出していた。タスキを肩にかけ、まっすぐ前を見据えて走り出した。2区は、アップダウンが激しいから前半飛ばしすぎると、後半にバテると湊人がゆっていた。彼らの足取りは軽やかで、俺たちの歓声はさらに大きくなった。全員タスキリレーが終わり、ここから2区がどうなるかとても楽しみだった。俺の予想だけど、ここから、1位との距離が迫ってくる。大丈夫だろうか。

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