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日常で世界を変える(喜早編)  作者: mei


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9月24日 1区

 9月というまだ暑い時期に俺たちは、一斉に走りだりしていた。こんなにも暑い中、長距離を走るのは久しぶりだった。俺が走る1区は、8キロと距離が長い。しかし、俺は負ける気がしなかった。

 スターティングラインに立った選手たちは、遊びでしょという感覚だったはずなのに、今はこんな真剣な顔をしている。けど、コイツらはわかっていない。こんなのはやる前から決まってるんだ。その準備をしていない。俺は、誰よりも勝利への強い決意をもっていた。後は、この脚が壊れないか。ただ、それだけだ。走って3キロ立ったが、全く違和感は感じなかった。俺は、ようやく1周目を走り切ろうとしていた。そこには、湊人が笑顔で迎えてくれた。湊人の声に応えるように手を振り、2週目を走り出した。  

 先頭を走っている俺は、横にいる2人を見ていた。自分のペースを維持しながら走れるから、先頭は楽だ。後続のランナーとは、だいぶ差が広がっているみたいだ。しかし、3人もいるといつ逆転されるかはわからない。とにかく、どこかでギアを上げたいと考えていた。先頭集団のペースが少し遅くなったような気がした。今だ!!俺は、ギアを切り替えるタイミングが少し速くなったが思い切って前に出ることにした。後続のランナーたちは、一生懸命追いかけてくる。俺は、負けじと速度を落とさない。差は、わずか数秒程度だったが少しずつ広げていくことを考えた。

 やっぱり、先頭は楽だ。誰の影響も受けず走れる。額には、大粒の汗が流れていた。俺たちが走っているのを物珍しそうに見つめるランナー大学生がいる。後ろを振り返ると、だいぶ距離が離れていることがわかった。これならいける。2周目がもうすぐ終わる。これなら、湊人も喜ぶだろう。このまま、もっと差が広がればいいな。残り約2キロだ。俺は、最後の力を振り絞り走り進めていく。湊人は、チームの勝利を確信したように喜んでいた。周りの他の人たちは、俺のラの健闘を称えてくたのか、大きな拍手を送りながら、残り2キロと叫んでくれた。タスキをつなぐところには、林が待ってくれている。後ろを振り向くと、もうかなり差が広がっている。2区の林がどれだけ走れるかは知らないがこの差なら文句ないだろう。


 【チーム】

 1区 喜早旭   8キロ

 2区 林龍亮   7キロ

 3区 槙隆弘   6キロ

 4区 上木健輔  7キロ

 5区 宇内慎ニ  6キロ

 6区 中山湊人  9キロ

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