9月22日 上のステージ
俺たちは、練習終わりに部室で話しこんでいた。春翔とキャプテンの外山。コイツらは、サッカーが上手すぎるから話しかける人も意外と少なかったのだ。決して悪い奴じゃないけど、みんなが才能に溢れてるわけじゃない。
春翔「明日、授業あるの?」
俺 「あるよ」
外山「俺もあるよ」
春翔の質問に俺たちは、同じ答えだった。
春翔「まじかぁ。せっかく練習しようと思ったのに」
ガッカリしている。
俺 「練習は、いつでもできるだろ」
外山「そうだろ。まずは、単位とらないとな」
俺たちは、春翔を励ました。
春翔「俺は、取れるから」
俺 「怪しいな。お前、卒業できなかったら、シャレにならないよ」
外山「ホントだよ。お前、社会人でやるんだろ?」
3年の今の時点でサッカーすることが決まっているのは羨ましかった?
春翔「ああ。スカウトきたら、プロでもいくよ」
俺 「お前がプロかぁ。凄いな」
春翔ならプロからスカウトが来てもおかしくない。
外山「もうちょい、スタミナがつかないと」
これ以上、コイツにスタミナがつくと誰も追いつけなくなる。
春翔「そうだな。90分間走る体力ないと上でやれないからな」
上でやる覚悟はできているみたいだ。
俺 「上でやるのに必要だよな」
外山「来年もやるのか?」
春翔「ああ。全国大会行ければやってるよ」
全国大会。俺たちの最大の目標だ。昨年できなかったベスト4の壁を破りたい。
俺 「凄いな」
外山「お前もやるだろ?」
すぐに返答できなかった。
春翔「たしかにな。旭がいないとやれないよな」
俺 「そんなことないだろ」
話をすり替えるので精一杯だった。
外山「いやー、お前のポジション重要だろ」
俺 「そんなことないだろ」
春翔「旭は、まず脚の完治が先だな」
俺 「まぁ、そうだろうな」
春翔のいう通りだ。
外山「俺たちなら、やるだろ?」
春翔「当たり前だろ」
俺 「凄い自信だな」
二人の自信が誇らしく見えてきた。
外山「当たり前だろ。俺らならやれるよ」
春翔「じゃなきゃ、ここまでやってないからな」
俺たちは、楽しいキャンパスライフを捨ててまで、サッカーを選んだんだ。こんなところでは終われない。結果出して、サッカーをやっててよかったと思いたいのだ。




