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日常で世界を変える(喜早編)  作者: mei


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9月14日 昨年

 今後のスケジュールを考えていた。やっぱり、12月までに完全復活をして1月の大会で結果を出したい。ただ、それをするのであれば、11月頃から練習試合に出ておく必要がある。そうなると、10月からは、通常メニューをキッチリこなしていく必要がある。それができないようであれば、厳しいだろう。でも、それをするために戻ってきたのだ。自分にもっともっとプレッシャーをかけて強くなりたい。そして、昨年を超えたかった。

 陽が落ちかけた夕方、俺たちのサッカーグラウンドには、外山や春翔たちが集い、自主練習を行っていた。俺は、別メニュー調整をしながら、いつものようにみんなを見ていた。キック音が響いていたこのグラウンドには、みんなの一生懸命さが伝わっていた。湊人は、周りに置かれたコーンの障害物をあわてて取り外していた。何をしてようとしているのだろうか?

 どうやら、違うメニューにいこうとしているみたいだった。今は、4年生が就職活動などで、部活動にあまりこれていない人が多い。10月頃には、今よりも人数が増えているだろう。2年の斉藤たちは、先輩たちが新しい練習をするために準備をするように後輩たちに伝えていたようだ。いつもと異なるボールだろうか?湊人は、小さなサッカーボールを蹴りはじめた。ゆっくりと、彼らは球を動かしていた。ボールを持つ選手は、コーンを追いかける。いつもと異なるボールということもあり、扱いづらそうだ。

 それでも進みながら、それぞれが、うまく蹴るための狙いを調整し、小さなボールを相手のゴールに向かって蹴り飛ばしていく。しかし、いつもよりゴール内に鮮やかなシュートが決まっている選手が少ないみたいだった。次は、2日後。春翔は、練習試合で試すために、細かい部分にまで気を配ってトレーニングをしていた。ひとつひとつのダッシュやカバーリング。その様々な動きが、厳しいトレーニングとなって自身を成長すると考えているみたいだった。

 コーチがいない居残り練習では、外山と久保が中心になって指示出しをしているみたいだ。ショートパス、ロングパスのアイデアなどの意見交換も行われているようだ。その頃、畑川たちは、波形の攻撃と高いプレッシャーにたえるためのディフェンスを意識するよう選手たちに動かしている。草原のように響く芹沢や大屋たちの叫びと、選手たちのボールを蹴る音は、陽を落としながらもそこだけ輝いているみたいだった。

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