9月12日 青春ミステリー
俺たちは、巨大なスクリーンの迫力に圧倒されていた。
湊人「いやー、今日の映画良かったな」
俺 「久しぶりだな。ああいう映画みるの」
俺たちが見た映画は、『老朽の謎』という青春ミステリーだった。熱い友情とミステリーがかけ合わさったもので、とても心が揺さぶられた。
湊人「わかるわ」
俺 「いつも、エンタメ系が多いもんな」
湊人「そうそう。予告の映画も面白かったし、また行こうぜ」
そう。俺たちは、空いている時間によく映画に行くのだけど、バラエティーのような笑ってしまうような展開ものが多い。
俺 「そうだな」
湊人「お前、どうするんだよ。この後?」
俺 「何もないけど。湊人は?」
湊人は、さっきまで持っていた財布をリュックの中に入れてどこかに行くみたいだった。
湊人「俺は、サッカーの練習行くよ」
俺 「真面目だなぁ。お前は」
さっきまでずっと部活をしていたのに、また、サッカーの練習をするのか。凄いな、コイツは。
湊人「真面目じゃねえよ。俺は、サッカーで大学来たみたいなもんだから」
俺 「それでも凄いよ」
湊人「サッカーで入ったのに、レギュラーとれなかったら恥ずかしいだけだよ」
湊人の言うことはよくわかる。俺も1年生の時、先輩たちや大学のレベルについていけなかった。しかし、そこから鬼のような努力をつみ、全国大会でも試合に出れるようになったのだった。
俺 「そんなことねぇよ。俺もサッカーで入ったようなもんだぞ」
湊人「お前は、ちゃんとレギュラーとって立派だよ」
俺 「いやいや、俺、やめる寸前までいってたからな」
そうだ。この前までは、辞めることしか考えていなかった。
湊人「それでもやめなかったじゃないか」
俺 「結果論だよ。それは」
湊人「結果が全てだよ、旭」
俺 「‥‥‥」
俺は、湊人の言葉に何も言い返すことができなかった。それは、俺も心の中で結果が全てだと思っているからだろうか?そうじゃないことを信じたかった。
湊人「別に結果が全てでいいと俺は思っているよ」
俺 「そうなのか?」
湊人「ああ」
俺は、湊人がなぜ、そう考えるか気になった。
俺 「なんで?」
湊人「結果ださないと、信じないからだよ」
俺 「それは、わかるんだけど」
湊人「それだけだよ。結果で示してあげないとな」
湊人の言いたいことはわかるけど。いいのか、それで?




