8月26日 別メニュー
今日の練習も、別メニュー調整をしていた。まだ、完全に足が治ったわけではない。とにかく、今はボールを蹴る感覚を取り戻したかった。今日は、走らずドリブル練習を繰り返し行っていた。コート上で、春翔や外山たちが豪快にシュートを決めていると、どうしても焦りが出てしまう。できるだけ、コートを見ずにしていた。
春翔「旭、今日俺の家来ないか?」
練習が終わり、春翔が声をかけてきた。春翔は、コーンとボールを拾ってくれた。
俺 「なんか、あるのか?」
俺と春翔は、ボールを集めて、部室に戻ろうとしていた。
春翔「久しぶりに、ゲームしようと思ってな」
俺 「いいね」
後ろから、外山や中山たちがやってきた。
春翔「後は、これからの戦略ならないとな」
俺 「戦略?」
春翔は、段々歩くスピードを上げる。それについていくように歩いた。
春翔「お前が試合に出るためだよ」
俺 「そんなの手伝ってくれるんだ」
たしかに、怪我をしてから、俺はチームの戦略としては見られていなかった。他の選手たちの台頭もあり、俺がいなくても上手くいくようになっていた。
春翔「試合に出てる余裕だよ」
俺 「それは、凄いな」
たしかに、春翔はずっと試合に出てるから、全体のことを俯瞰して見れているかもしれない。
春翔「ポジションも選ばないとな」
俺 「たしかにな、、、、、、、」
俺は、首を回しながら部室へと歩いていく。
春翔「なんかあるのか?」
俺 「うーん。わかんねぇな」
春翔は、俺のことをかなり気にかけてくれている様だ。ありがたいけど、自分で結果出していくしかない。
春翔「俺、一個いいやつ考えたんだ」
俺 「何だよ、それ?」
春翔は、後ろを振り返った。後ろからは、さっきの中山や大屋がいた。
春翔「お前が一番輝くポジションだよ」
俺 「どこだよ?」
俺が輝くポジションかぁ。今のポジション以外でそんなのあるのだろうか?
春翔「ここでは言えないから、後でな」
そう言って、春翔は部室へと入っていった。
俺 「ああ、わかった」
春翔は、何か策があるみたいだった。俺は、今のポジションを変えるつもりは、なかった。当然、今のポジションの右サイドサーフにはずっとこだわりをやってきた。当然トップ下の春翔からパスを受けることも多かった。