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8月24日 たまたま

 また、ここに戻ってくるとはな、、、。いつも自習をしていた自習室4というところに来ていた。


 ー8月22日ー


 久しぶりにたつこのグラウンド。どこか感慨深い自分がいた。試合は、後半25分を過ぎようとした。白組に攻められ続けてボールが中々回ってこない。俺がいるポジションには、キャプテンの外山がいて上手くかわせない。また、他の選手の白組のポジション取りも完璧だ。俺は、カウンターしかないと思った。

 紅組は、危険なエリアにパスを通され続ける。白組の湊人のシュートは、わずかにゴールからそれて失点とはならなかったが、ほぼ守備は崩壊寸前だ。気温は、29度を超えており、俺のスタミナも削られていく。試合は、後半30分を過ぎた。すると、ボールがやってきた。"きた"。

 ボールを取ろうした瞬間、外山がボールカットをして再び白組のボールとなった。俺は、近くにあった水を飲み、ふたたび試合にもどる。なかなかボールをとれない紅組だったが、大屋や春翔は、前を向いていた。

 だが、俺は、体力の残量がゼロに近づいていた。苦しい。これが、ブランクかぁ。近くにいた外山が羨ましい。コイツに勝てないと俺がボールを触ると時間は少ない。再び、白組へとボールが渡る。サイドから、佐藤が上がる。俺も、それに伴いゴール前へと走り出す。いくら走っても、外山がついてくる。クソぉ。いつまでくるんだよ。

 右サイドの佐藤から左サイドの春翔へとボールが渡る。春翔がボールをもった時、なんか懐かしく感じた。なんだろ、この感覚、、、。苦しいけど、最後の力を振り絞った。近くにいた外山をふりはらい、前に出た。すると、そこにちょうどボールがきた。

 目の前には、山下がいる。さらに、後ろからふりはらったはずの外山が来るのを感じた。ここで、俺がボールをもつと、外山と俺は、トラップせずダイレクトボレーのような形を選択する。ボールが来たとともに大きく足をふりはらう。

 白組GK園山の左肩上をボールが飛んでいく。園山は、全く反応できずゴールネットが揺れた。気がつくと、春翔や大屋が俺の背中の上に乗ろうとしていた。山田や佐藤も俺の頭を叩きながら喜んでいた。時刻は、43分を過ぎようとしていた。今のは、たまたま入ったけど、これからはそうは行かない。それでも、みんなと久しぶりにサッカーできたことは何にも変えることができない経験だった。太陽の光を浴びながら、これからのことを考えた。

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