8月22日 同期
右脚に激痛が走る。それでも、なんとか家に帰ってきた。真夏ではあるものの、いつもより温度は低かった。
ー8月21日ー
まさかと思った。また、サッカーをやるはめになるんて。俺は、怪我をした右脚を触りながら、みんなの動きを見ていた。この怪我の全ては、自分によるものだ。あんだけ練習して、あんなに結果を出したのに、こんな形になるなんて。リハビリをしている時、みんながサッカーをしているのを見ると心がとても痛かった。
もう少し我慢すればサッカーもできていた。なのに、気持ちがきれて何もかも言い訳して逃げてしまった。そんな自分がまたサッカーをするなんて考えられない。グラウンドにいるみんななら申し訳なかった。
現に俺が1年から試合に出ていたことで、先輩や同期が試合に出れず悔しい想いをしているのを見てきた。だからこそ、誰よりも頑張ってきた。1年から試合に出ていた、外山大江、春翔、たちとは常に競っていた。一方で、試合に出られなかった湊人や佐藤も毎日のようにサッカー談義で盛り上がっていた。
そんな中で、自分だけドロップアウトしてしまった。辞めたことによる後悔よりも頑張りきれなかった自分に失望してしまっている。ここに戻ってくると、できていない自分を見せつけられる様な感覚だった。柚月や傑、山本さんたちに会って話したりしてもこの失望感がなくなることはなかった。
苦しくても悲しくてもこの状況から逃げたらいけないんだろうな。これは試練じゃなくてただの練習なんだろうな。そう思えばメンタルも落ち着くのじゃないかな。自分のメンタルを落ち着かようとしながら、俺は同期たちの姿を見つめていた。
紅白戦は、序盤から、激しいカウンターの連続だった。FWの大屋も久保もチャンスで外してしまい、前半25分が終わって0対0だった。キャプテンの外山には、動けるなら、試合に出てほしいと頼まれた。ベンチには、1.2年生が見ていた。
【紅組】 【白組】
大屋江 FM 久保英人
柴山春翔 FM 中山湊人
真田幸成 MF 外山広野
佐江塔矢 MF 山下飛羽
山田高大 MF 鹿目光輝
佐藤大聖 MF 坂和日白
田上京也 DF 山本上都
畑川尚弥 DF 古谷黎人
中釜慎也 DF 多田埜山
橋本草子 DF 不和郁
金本侑 GW 園山昇