8月21日 気まずい
緊張と不安の中、グランド近くの部屋のドアノブにでをかけた。何言われるんだろう?考えると回すことができなかった。それでも、、、。俺は、思い切って、部屋に入った。すると、既に15ほど入っていた。頼みの春翔は、まだいない様だった。ドア付近には、副キャプテンの大屋がいた。たまたま大屋も俺の方を見て、目があった。
俺 「おお、久しぶり」
大屋「何してるの?最近?」
俺 「うん、、ダラダラしてるよ」
歯切れが悪かった。
大屋「ふーん」
どこか不満な大屋だった。居場所がなくしていた俺は、中央に座らず端っこの方に座ることにした。
外山「おつかれー」
半袖短パン姿でやってきた。他のやつらにも挨拶をしていた。三年生キャプテンは、この外山広野だった。
外山「久しぶりだな」
俺 「久しぶり」
外山は、カバンをおいて全員揃っているか確認し始めた。
外山「もう、足は治ったのか?」
俺 「練習するくらいはいけるかな」
外山「そっかぁ。じゃあ、できるな」
俺 「えっ?」
外山「ハハハ」
外山が笑っていると、春翔と湊人がやってきた。部屋の中が挨拶でいっぱいになった。
外山「じゃあ、外行くぞ」
大屋「おけぃ」
久保「よっしゃ」
そして、みんなは部屋から出て行く。気がつくと、部屋の中を見渡すと23個のカバンでいっぱいになっていた。
春翔「おはよ」
俺 「おはよう」
春翔「ちゃんときたんだな」
俺 「まぁ、一応な」
俺は、部屋から出て行く外山や田中の姿を見ていた。
湊人「おいっす」
俺 「おう」
湊人「楽しみにしてるぞ」
そう言って、湊人は、スパイクをもって部屋の外へ出ていこうとした。なんだろう?みんな知らないのか?俺は、他のやつの視線が冷たくないことに気がついた。俺なんて、、、。
俺 「今から、何があんの?」
春翔「試合だよ」
俺 「えっ?」
まったく想定していたことと違うことが行われようとしていた。
春翔「紅白戦」
俺 「そんなの聞いてねぇよ」
春翔「うん、だって言ってねぇからな」
俺 「おい」
相変わらず、春翔は、俺の性格を理解していた。今も、こいつに操作されている気がした。
春翔「だって、言ったらこねぇだろ?」
俺 「まぁ、たしかに」
春翔は、笑顔で俺の方を見てきた。そして、グランドへ出て行く様に合図した。