8月13日 バスケットボール5
あの日の感覚が、まだ俺の中に残っていた。俺は、朝から昨日もらった書類にサインをしていた。退学手続きも案外めんどくさいものだと思った。ただ、決めた以上、書くしかなかった。俺は、20分ほどサインを書いて、封筒に書類をいれた。
ー8月7日ー
前半は、7対4で終了し、おりかえした。後半は、聖徳高校ボールでスタートした。大山から大野へとボールが渡る。エースの高田には、井端と原田がついているため、パスは出さない様だ。
高田へパスが出せないと判断した柚月は、ドリブルをする大野のもとへと近づく。大野も柚月が来たことを理解する。しかし、大野は、柚月が来たことも気に留めず、前へと進む。激しくぶつかり合いをするが、大野は前へと進む。そして、3ポイントのラインからシュートを放った。
ゴールから外れるが、そのボールを高津がとって、シュートを決めた。大野は、ガッツポーズした。してやったりという表情に見えた。
今度は、俺たちのボール。井端は、俺のところへパスを出した。俺の周りには、さっきシュートを決めた高津がいた。ドリブルができない俺だったが、なんとか前に進めるためにボールを柚月がいるラインギリギリのところにボールを投げた。約10mぐらいに投げたボールは、見事、柚月がジャンプしてキャッチした。
柚月の前には、大野がいた。高田は、ディフェンスの方には、加わらない様だ。柚月は、大野の頭の上にボールを上げ、そのボール自分でとって再び前に進んだ。大野は、再び、柚月についた。
柚月に負けまいと必死についていくが、それをかわしてシュートを決めた。再び、聖徳高校ボール。大山から宮下にボールがまわる。しかし、宮下がボールをこぼしてしまった。そのボールに反応した原田がボールを拾い、そのままレイアップシュートを決めた。すぐさま、高田がタイムをとり、試合が中断した。俺は、息切れ寸前だった。
俺 「しんどすぎる、柚月、交代させて」
柚月「無理や。最後まで出てよ」
俺 「今、このまま俺が出てても負けるで」
柚月「何言ってるの?勝ち負けじゃないんだから」
俺はイラッとした。すると、まるで俺の行動をよんでいたかのように傑がやってきた。
傑 「まぁまぁ、怒んなって、旭」
俺 「‥‥」
傑 「後半は、俺が出るから任せてや」
俺 「なんや、それ」
笛がなり、再び試合が始まった。俺は、イラだちを抑えてコートに戻った。残り、4分。