8月12日 バスケットボール4
俺は、朝から大学に来ていた。大学の中から、サッカー部が試合をしていたのがわかった。今日は、国市大学との試合の様だ。前半途中で、3対0でリードしていた。試合には、レギュラークラスの芹澤、柴谷、大屋、森谷らが出場していた。ドアがノックされた。おそらく退学届けの受理書類を説明しに来たことがわかった。
ー8月7日ー
試合は、5分終わって4対4。再び、聖徳高校ボールで試合が始まった。大山からボールをもらった高津は、前に進む。その前には、柚月がいた。これは、パスが出る。俺は、大山がパスを出すであろう宮下の近くに寄った。大山が出した先は、まさに予想した通りだった。俺は、パスをカットして、そのままゴールへと向かう。そして、レイアップを決めた。
柚月「ナイスシュート」
俺 「上手かった?」
柚月「シュートは、微妙だけどね」
俺 「そう?」
再び、聖徳高校ボールでスタートした。今度は、大山から高田にパスが回る。前線でボールをもらった高田だったが、ゴールまでかなり距離があった。高田は、ドリブルで傑と井端を抜いていく。目の前には、柚月が。本日3度目の高田と柚月の1on1となった。
柚月は、後輩に一切手を抜こうとしなかった。ただ、高田も負けじと真っ向から勝負をしようとしていた。パスは、出さずにジワジワと前に進む。柚月は、体を近づけて前に進めないようにする。しかし、高田も負けないで前に進めようとする。まさに、1on1といった感じだ。
"真波"。近くにいた大野が叫んだ瞬間、柚月がボールをはたき、俺たちのボールとなった。ボールをとった井端は、すぐに柚月にパスを出した。慌てて、聖徳高校の選手たちは、引き返すが、柚月は、すでにシュートを放っていた。まさに柚月のための試合の様だった。ここで、ブザーが鳴った。
柚月「いやぁ、疲れたね」
ベンチで座りながら、話していた。
傑 「柚月ちゃん、上手いね」
柚月「現役だからねぇ」
俺たちは、息が上がってるのに、柚月は全くだ。
傑 「前半だけで、足パンパンだわ」
柚月「最初、変わる?」
傑 「そうね。変わるわ」
選手は、7人いるから変更は、可能だった。
俺 「じゃあ、俺も頼むわ」
柚月「お兄ちゃんは、無理だよ」
真顔で俺の方を見てきた。
俺 「何でよ?」
柚月「当たり前じゃん、勝負してるんだから」
柚月が何をしたいのか理解できなかった。
傑 「お兄ちゃんには、厳しいね」
柚月「もちろん」
柚月は、笑顔で答えた。