8月10日 バスケットボール2
この前のバスケの試合で激しく動いたせいか、まだ脚が痛む。階段降りるのもキツかった。ただ、どこかスッキリした気持ちもあった。
ー8月7日ー
俺たちは、アップを始め出した。ストレッチをしてから、高校生が持ってきてくれたボールを使ってシュートの練習するを始めた。
傑 「これから、どうするか決めた?」
俺 「決めてないけどっ」
シュートを放つ関係で上手く話せなかった。俺が放ったシュートは、キレイにゴールの中へ吸い込まれていった。
傑 「もしさ、やることなかったら、連絡くれよ」
俺 「どういうこと?」
傑 「実はさ、これからやることがあって。もしよかったら、傑にも手伝ってほしいんだよね」
ゴール下に落ちたボールを、傑が拾った。
俺 「何それ?」
傑 「それは、言えないよ」
傑は、明らかになにか企んでいる様子だった。思えば、今日来ることも、俺は知らなかった。
俺 「なんで?」
傑 「まずは、目の前のバスケが優先だろ?」
俺 「いや、そうだけど」
傑は、とても楽しそうにしていた。傑と変わるように、柚月が俺の方に近づいてきた。
柚月「準備できた?」
俺 「体は、動かしたけど、バスケできるかはわからん」
柚月「私より点数取ってよ」
鋭い眼差しで俺の方を見ていた。ボールを地面に叩きつけていく。
俺 「そんなん無理でしょ。だって、向こうバスケ部やろ?」
柚月「勝つ以外ないから」
強い口調で、俺を圧倒してきた。
俺 「厳しすぎるでしょ」
柚月「そんなことない。私、バスケ部ですよ。レギュラーなんねんから、こんなところで負けれないよ」
昔から、柚月の負けん気は、強かった。それは、今も変わっていない。
俺 「それは、そうだね」
柚月「私、お兄ちゃんの分も絶対、レギュラーとるから」
俺 「‥‥‥」
俺は、何も言えなかった。
柚月「見といてね」
俺 「あぁ、頑張れよ」
気まずくなって、立ち上がった。
【スターティングメンバー】
〈聖徳高校〉 〈柚月チーム〉
大山百合 ガード 原田通
宮下真琴 ガード 井端美鳥
高田真波 フォワード 喜早柚月
大野友紀 フォワード 喜早旭
高津沙織 センター 北條傑
いよいよ、試合が開始した。