表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

名探偵あなたとノーブラ少女

作者: 栗野庫舞

若干、推理ものっぽい感じにしましたが、くだらない内容には変わりないので、そういう要素は求めないよう、ご了承下さい。


ミステリーはミステリ、ミステリイとも表記されるみたいですが、ミステリーが最も一般的ですね。

 女子高生のあなたが帰宅すると、見知らぬ少女が居間にいた。年齢は、十歳ぐらいだろうか。ベージュの絨毯(じゅうたん)の上に座っている。


「……誰?」


 あなたは尋ねた。


「私は女の子です」


 意味が分かるようで分からない返答が返って来た。


 長い黒髪の少女は、薄青(うすあお)の半袖と白のミニスカートという服装で、体育座りをしている。膝を立てているため、スカートの内側が見えてしまっていた。ちなみに中は防御力の高そうな黒いブルマだった。スカートが白なので、余計に黒さが際立つ。


「なんでうちにいるの?」


「私のうちだからです」


 そんなふうに答えられても、現時点であなたは、この謎の少女のことをまるで知らない。見たこともない。


「家を間違えて入って来ちゃったとかじゃない? 迷子なら、警察に一緒に行く?」


「迷子じゃないし。警察に行ったら、お姉さんが馬鹿を見るので、行かないであげます」


「……あなた、お名前は?」


「記憶喪失の子に聞いても、答えられないというのが、本音です」


「えっ、記憶喪失なの?」


「記憶喪失の子はそうだと説明しただけで、私は記憶喪失ではなく、うちの子です」


「わけが分からない……」


 あなたは立ったまま、この少女の扱いに困っていた。


「お姉さんの知識を試すために、質問をします。いわゆるクイズです」


「クイズ?」


「はい」


 急にクイズという展開になり、あなたは戸惑う。


「私の上はノーブラじゃないけど、下はノーブラ。下のノーブラって、どういう意味?」


 あなたが思っていたよりも性的っぽいクイズだった。


 ノーブラとはノー・ブラジャーの略で、ブラをつけていないことを意味する。ブラの代わりとなる肌着を着ている場合や、ブラをまだ必要としない女子に対しては、ノーブラとは言わない。


 目の前の少女は胸部が全く目立たないので、つけていなくても問題はないのに、本人はノーブラでないと証言する。あなたはそこが気になった。


「上はノーブラじゃないってことは、そういうことなんだよね?」


 (にご)して聞いたあなただったけれども、少女は(うなず)いてから立ち上がり、半袖を(まく)り上げて証拠を見せた。

 大人のブラジャーではなかったものの、女の子らしい白のジュニアブラだった。


 ノーブラでないことははっきりした。その代わり、別の問題が生まれてしまう。本人が見せてきたとは言え、じっくりと少女の下着を見てしまったのだから。


「……警察に一緒に行く?」

 恥ずかしそうに少女が言う。


「勝手にあなたが見せたんでしょーっ! 私に罪はない!」

 そう主張して乗り切るしかなかった。


「さっき警察に行きたがってたじゃないですか、お姉さん」


「行きたがってたわけじゃないよ! むしろ余計な手間だから面倒っ!」

 あなたの本音だった。


 少女は半袖の裾をミニスカートの中に戻す。


「さて、ここからが本番です。お姉さんには、分かる? 下のノーブラのこと」


 あなたは考える。下のノーブラは、ノー・ブラジャーではない。しかし、ここまでの性的な流れから、性的な答えが思い浮かんでしまう。


「……下に、……ブラブラするもの? が、ついていない女の子、というのが答えかな?」

 推理を自分で言っておいて、真っ赤になったあなた。


「ぶー、はずれです。よって、お姉さんのブラジャーをちょうだいして、ノーブラになってもらいます」


 情けないことに、あなたは少女に押し倒されてしまった。あなたはさほど胸部が大きくないけれど、ノーブラではない。


「ちょっと! そーいうことしないでっ!」


 制服を今にも脱がそうとしている少女にあなたが言うと、少女は手を止めた。


「はい。お姉さんがノーブラになったらかわいそうだから、やめてあげましょう」


 少女にすら力比べで負けかけていた事実が、あなたに重くのしかかる。


「お姉さんにはもう一度、チャンスをあげます。下のノーブラってなあに?」


 あなたの上から退いた少女は立ち上がり、今度は逆にあなたがその場に座り込んだ。少女の黒いブルマが見える。


「ブルマーを穿()いているから、恥ずかしくないもん」

 自分でブルマを見せる女子がよく言うセリフ。


 なぜかこの子は、古風にブルマーと言う。

 そもそも、喋りかたが年齢よりも落ち着いた印象がある。


 そこに、ヒントがあるのだろうか?


「……いや、ない」


 あなたは小さく(つぶや)いた。


 ブルマーと伸ばすのも、喋りが落ち着いているのも、こちらの判断を誤らせるだけ。つまりは、ミスリード。今回のクイズの本筋とはまるで関係ない。そうあなたは推測する。


 少女はミニスカートを大胆にたくし上げて、黒いブルマを(さら)した。


 ブルマは、とにかく壮大だった。穿()いている部分の肌を完全に隠しており、黒い生地と白い太ももとの対比が激しい。


 ここであなたは、ある点に気づく。(ひらめ)いたと言っていい。


「ちょっといい?」

 あなたは行動に出る。


 少女のスカートの内側に入った半袖の裾部分をめくり、ブルマでよく見かける『あるもの』を探した。それが、ついていない。


 名探偵あなたは、結論にたどり着いた。


「分かった! このブルマ、メーカーのタグがついてない。ノーブランド品、ということで、ノーブラ!」


 あなたはノーブラと叫んだ。人が大勢いる場所だったら、つけてないほうのノーブラと混同され、おかしな人に思われるかもしれない。しかしながら、そのノーブラは和製英語であり、外国語しか分からない人に誤解されることはない。


 ノーブランド品とは、製造者のブランドを提示せず、最低限の情報を(しる)しただけの商品のことを指す。手間を省いて低価格にし(やす)いのが特徴で、ブランド品に比べて低品質に思われてしまうのが難点でもある。


「正解です。ぱちぱち。……まさか、お姉さんからめくってくるとは思いませんでしたが」


「あっ、これは違うのっ!」

 すぐにあなたは手を引っ込めた。


「私はお姉さんを許します。それが平穏への第一歩だからです」


 少女はスカートを戻した。そして、あなたを見つめる。


「では、お姉さん。正解したご褒美(ほうび)として、私はお姉さんの妹になってあげます」


「……えっ?」


 あなたに変なノーブラ少女(いもうと)が出来た。


                    (終わり)

黒ブルマがメインのお話でした。


少女に関しては、本編では語りませんでしたが、一応、主人公の両親が引き取ることになった……程度の設定を用意していました。


最後までお読み下さり、ありがとうございます。

もし良かったら、作者の別作品、『サキュリバーズ!』や『ホラチョコ! ~チョコミント好きな女子高生の恐怖体験談~』などもよろしくお願いします。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ