朱雀(Pt.2)
翌朝の9時前。集合場所として定められた黒金宅で二人は朱雀の訪問を待っていた。
「で、朱雀サンってどういう人?いつからの付き合い?」
昨晩からの疑問を吐きだす。
「ああ、ええと」黒金は髪の毛を触りながら話し出した。
「高2からだな。家が結構な地主で、誰も寄り付かなかったらしく。俺はこの町の出じゃないから当時はそこらは詳しくなくてね。話しかけて来たのは向こうからだったが、存外ウマが合ってしまって今に至ってる」
「他には?」
「あー、今もそうだが他人のゴシップが大好きなヤツで、教員生徒を問わず他人のそれに対する好奇心と知識量は凄まじかったな。その最低の趣味が高じて、実家飛び出してまでそういう出版社で記者をやってる……とか」
「ってことは今回のオシゴトもどういうのに関係してる感じなの?」
「まあ恐らく」
そうして話していると、インターホンが訪問者が来たことを知らせる。
「来てしまったか……」
黒金はどちらかと言えば招かれざる側の客人を迎え入れるべく玄関を開けた。
「いやあ。こうして会うのも何年振りかな」
そこには首からカメラを下げ、リュックサックを背負った髪の明るい男が若干爽やかな笑顔で立っていた。