一生縁がないと思うような美少女に会った
目の前にいたのは超絶ゴスロリ美少女だった。
目がパッチリで澄んだ瞳。
口はニッコリと微笑んでいる。
身長は少し小さく、150センチから155センチぐらい?
胸は少しだけ膨らんでいる・・・貧乳ではない。ちなみに自分は巨乳好きではない。
頭には黒で縁取った赤いカチューシャをつけ、前髪は下ろし、黒くて綺麗な髪が腰まで伸びている。
服はフリフリが入ったゴスロリで、黒をベースにところどころ赤のアクセントが入っている。
スカートはフワッとしたミニで、これも黒をベースに赤いアクセントが入っている。
足には赤リボン付きの黒ニーソにワインレッドのショートブーツ。
見た目は、海外に進出したヘビメタアイドルに似ている。
自衛隊が異世界に行った時の神官にも似ているが・・・目の前の美少女の方が優しそう。
何よりも・・・絶対領域が眩しすぎる!
・・・まともな物を目にした・・・いや素晴らしい物を見てる・・・見て良いものを見てる・・・。
惚けて無意識に拝んでしまった。
「えっと・・・あの・・・?」
美少女が苦笑いした。
思わず我にかえる。
何故拝んだ!?すげー恥ずかしい。何をやっているんだ僕は!
「ご、ごめん。気持ち悪いよね?」
可愛い過ぎて言葉が出て来ない。出てきた言葉がこれ。
彼女はニッコリして
「ううん。大丈夫よ。けどちょっと恥ずかしいかな?」
と言った。
うぉ〜〜〜笑顔はもっとマブシーーー。
自分には絶対に縁が無かった人だ・・・。
「ねぇ。あなたここは初めて?どこから来たの?」
どこかで聞いたテンプレセリフ・・・。
ドキドキしてはいるが、とりあえず応える。
「ここは初めて・・・と言うより、ここがどこだか分からないんだ。僕がいた場所とは別世界で・・・初めて見るものばかり・・・。もう何がなんだか分からないんだ。」
異世界である事は分かるが、どんな場所で何が出来て、何が出来ないのかさっぱり分からない。魔法とかはあるのだろうか?
自分の素性を言うと、どこかのラノベの主人公みたいに、心臓がぎゅっと締め付けられるのだろうか?
試してみよう。どうせ死ぬ気だったのだし。
「信じてもらえ無い・・・いやどこの事だが分からないかも知れないけど、地球という星の日本て言う国から来たんだ。異世界と言うのか、上手く説明出来ないんだけど・・・」
「やっぱり日本人なのね!嬉しい!久しぶりに会えた!」
満面の笑みで少女が答えた。
えっ?ドユコト?
「あのね、私ね・・・あら?その手に持っているものって切符?」
「えっ!?」
手元を見ると何かを握っている。
ゆっくり開くと薄い桃色の、厚い紙で出来た切符が現れた。
これって昔の硬券と呼ばれるタイプの切符?
爺さんから小学校の時に見せて貰った事がある。
手に持っていた切符には
普通急行券
急行 蠍の灯 号
区間: 乗車駅 ▶︎ 降車駅
有効期限 目的地降車日 まで
途中下車前途無効
と記載されていた。
「????????????」
なんだこれ?
「一緒の電車!
あ、でも、もうすぐ出発時間ね。急がなきゃ。
荷物はその肩にかけているものだけ?」
荷物だって?
そう言えばさっき赤帽さんに声をかけられたっけ?
肩を見ると大きめの皮袋を担いでた。
良くファンタジーで冒険者が担いでいるやつ。なんて言うのかな?
ってそれより何が入っているんだ!?こんなの知らない!
良く見ると着ている服も違っていた。制服ではない。冒険者ぽい格好だ。
どうなってるんだ?全然気付いて無かった!
なんだこれ?状況が良く分からない。頭が追いつかない。
「やっぱり最初は驚くわよね。でも安心して。荷物は役に立つものが入っている筈よ・・・たぶん。」
タブンですと?
「それに服も変じゃないと思うわ・・・きっと。」
いやいやそれ褒めていないし・・視線逸らさないで!
慰めてるつもりなのだろうけど、微妙に傷つているよ!?
「それよりも早くホームに行かなきゃ!」
突然少女が俺の手を取った。
ドッキーーーーーーーンッ!!
心臓が飛び出さんばかりに鳴った。
顔が熱くなって、頭から湯気が出そうだ。
鼻血出そう。気絶しそう。何がなんだかもう分からない。
もう何でもいいや。どうにでもしてくれ〜。
気がつくとホームにいた。
記憶が飛びそうになっていた自分を、少女がここまで引っ張って来てくれてた。
目の前には、凄く古い電車が止まっていた。
ミナのイラストを描いたのでアップしました。