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異世界電車の旅  作者: TOKU MATSU
異世界初日
2/99

テンプレみたいでテンプレで無いような異世界転移

目が慣れて来た。

見えてきた風景に凄く驚いた。

ここは東京駅の筈だった。

いや令和の東京駅の筈だった。

赤煉瓦の壁に、薄暗い白熱電球の通路。

ホームに向かう階段はあるがエスカレーターがない。

通路にはお土産屋さんや売店、書店や薬局があったはずなのに見当たらない。

以前本で見た昔の東京駅に似ている。それも戦前の・・・。

更に驚いたのが通行人・・・と言うか人?

あれって獣人?

見た目が残念過ぎる獣人が歩いている。

猫耳だけど・・・どうして腹の出た中年親父なんだ!しかも短パンでタンクトップ!

あっちには派手な竜の刺繍の入ったマントを羽織り鎧を着た・・・おばさん?

ポリポリ脚を掻きながら歩いてる!まるで大阪のオカン・・・。

で、こっちにはフリフリのミニスカートを履いて、ハートの飾りが付いた杖を持ち、髪がピンク色の・・・えッ!?

ば、ばーさん?

・・・見てはいけない者を見てしまった。

僕の隣を小さなゴブリンが集団で歩いていた。

黄色い帽子を被り青い幼稚園の制服を着てゾロゾロとお手手繋いで・・・。

なんか目眩がしてきた。


「にーちゃん!荷物運んでやろうか?」

ショックでボーとしていたら、突然、猿の獣人に声をかけられた。

顔は日本猿で、赤い帯の入った帽子を被り、詰襟の制服を着ている。

えっとこれってポーターなのかな?

昔、大きな駅には赤帽と言う荷物運びがいたのだけど、もしかしてそれ?

それにしても見た目は猿回しのー。

「にいちゃん。失礼な事考えて無いか?」

図星だけどそれ言っちゃダメー! 女の子が言うセリフ!

「あたしは女だけどね!」

えーーーーーーーーっ!まじっすか!

思わず固まってしまった。

「す、す、す、すみません。だ、だ、ダイジョーブです、ハイ。」

とりあえず断る。


これは夢?

改札口を通った瞬間に何かあって気絶でもしたのか?

それにしては趣味が悪過ぎる夢だ。

それとも現実なのだろうか?

そもそも実感があり過ぎる。

ベタな方法だけど頬をつねる。

痛い・・・。

いや夢の中で痛いと思っているだけかも。

「パシーン!」

思いっきり頬を叩いた。

痛って〜。

いろんな種族の通行人が一斉に振り向いた。

なんか恥ずかしい。

ぽりぽりと頭を掻き、少し愛想笑いをして誤魔化す。


叩いたところは痛いし、いろんな事に実感があり過ぎる。

どうやら現実らしい。凄くベタな展開だけど、異世界に迷い込んだらしい。

いや本当にベタ過ぎる。アニメ化されたラノベと似てる。

あの作品では場所がコンビニだったけど。

いいのかこれ?って何が良いんだ?

あーもう分からない!


「あの・・・大丈夫?」


頭を抱えて悩んでいると、声優さんのような可愛い声で話しかけられた。

騙されんぞ!また猿か?それともグラスウォーカーのハゲ親父とか?

もしかしてジャイ◯みたいなオークだったり?


おそる恐る、ギギギギギギーと振り返る。

「ん!?」

そこにいたのは、お目目パッチリの超絶ゴスロリ美少女だった。


展開がベタ過ぎるだろ!



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