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異世界電車の旅  作者: TOKU MATSU
異世界初日
14/99

一等席と二等席

ミミ姉さんの設定変更です。

カウンターで夕食用のお弁当を頼んだ。

僕が頼んだのは豚生姜焼き弁当。

ミナは小ぶりの幕内弁当を頼んだ。

三両目に行こうとしたらミナに止められた。

その先は二等席と一等席で三等席のお客は入ってはいけないらしい。

国際線の飛行機みたい ・・・。

見てみたかったな・・・。


三両目を見るのを諦めて一両目の自分の席に戻った。

席に戻るとミナが三両目の事を説明してくれた。

「三両目って殆どお客さんは乗らないわ。

と言うか、滅多に人は乗らないの。

二等席は日本の通勤電車見たいに通路に席が向いているんだけど、豪華なソファになっているわ。

席の上にはベットが仕舞ってあって夜には、二段ベッドになるの。

二等席の後ろには更に個室があってそこが一等席。

車両の手前は二両目みたいにトイレとシャワーがついてるけど、ずっと豪華よ。

一番後ろは運転室だけどその前に乗務員用の部屋があって車掌さんや運転手さん達はそこで休憩を取っているの。」

二等車は概ね戦前の特急と同じ作りのようだ。

その頃の写真をネットで見た事がある。

もっとも、寝台を付けないと行けないくらい長い距離を走る電車は昔はなかった。

みんな機関車に引っ張られる客車だった。

電車の寝台車が出来たのは昭和の高度経済成長の時で、爺さんがサラリーマンだった時だ。

やはり異世界の電車だ。

それにしても、ミナの説明は見て来たように詳しい。

「一度だけ・・・・・ずっと前に・・・・乗ったの・・・。」

真っ暗になった外を見ながらミナが呟くように言った。

その顔は寂しいような、悲しいような、くらい表情だった。

それ以上ミナに聞くのはやめにした。


戻ってからしばらくすると、お姉さんがお弁当を持って来てくれた。

サービスで味噌汁とお茶もつけてくれた。

ミナは相変わらずお姉さんが苦手みたいで、視線を合わせようとしない。

まるで・・・なんというか・・・父親の再婚相手に接しているような感じ・・・。

でもミナは人間だし、お姉さんさんはうさ耳で人間とは違うようだし、ミナが日本からの転移者だとすると接点は無い・・・。

そう言えば前回がどうとか・・・・。


お弁当を広げた。

豚生姜焼き弁当。

美味しそうないい匂いがする。

肉が適度に歯ごたえがあって、更に所々に柔らかい脂身がある。

美味い。

味噌汁をすする。うーん。ダシが効いていてこちらも美味い。

ミナを見ると、彼女も美味しいそうにお弁当を食べ始めた。

少し機嫌が良くなって来たみたいだ。

お互い思春期だ。いろんな事があるよね。

ミナがこちらの視線に気づいて微笑んで来た。

うん、やっぱり笑顔がいい。


ミナはかわいい。


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