二両目
ミミ姉さんの設定変更プラス一部修正しました。
お互いに真っ赤になって押し黙ってしまった。
ミナはかわいい。うん凄くかわいい。
日本にいた頃・・・ってまだ転移してから一日も経っていないけど、こんな美少女には絶対に縁が無かった。
そもそも好きとか嫌いとか、付き合う付き合わないとか、お互いにそんなに深く知っているわけでは無い。お互いに意識するのはまだ早いのではないのか?
こんなに早く恋に落ちるもの?
ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン。
電車の走行音が妙に響く。
それ以外は全く聞こえない。
ちらっと前を見る。
ミナの絶対領域が目に入った。
ま、眩しい。
ガタン、ゴトン、ガタン、ゴトン。
もう何がなんだか!
悶々とした時間が過ぎていった。
ふと気がつくと、窓の外は暗闇になっていた。
あれから何時間経ったのか?
ところどころに灯が見えるけど、殆ど暗闇だった。
落ち着いて来たのかミナから声をかけて来た。
「タケル。後ろに行かない?電車の中を案内してあげる。」
「う、うん」
僕らは席を立って後ろの車両に移動した。
二両目に入ってすぐにトイレと洗面所があった。
トイレは後ろに向かって左側に男子用と男女共用の洋式のトイレが並んでいて、反対の右側に洗面台と・・・驚いた事にシャワールームがあった。
そう言えば、戦前の特急列車(鉄オタは、機関車で走る列車は電車と呼ばない!)にシャワーがあったと聞いた事がある。それと同じものだろうか?
トイレ/シャワーの区画と客室とは仕切られていて、引き戸を引いて客室に入った。
内部は一両目と同じ普通車で向かい合わせの席が並んでいた。
だけど客室の長さは一両目よりもずっと短くて、すぐに引き戸があった。
引き戸を開けると通路が左側に移り、右側には厨房とカウンターがあった。
作りは木製で、イベント列車にあるようなプラスチックや金属製のものではなかった。
どうやらここで飲み物や食事を頼めるらしい。
「ここが、飲みものとか、食事を頼めるところ・・・」
ミナが少し別な方を向いて説明していた。
カウンターの中にさっきのうさ耳のお姉さんがいた。
「ミナちゃん。またわたしにヤキモチ?」
お姉さんが悪戯っぽく言った。
「べ、別にヤキモチなんか・・・」
口を尖らせてミナが答える。
「オイ、オイ。あんまりミナちゃんをからかうな。」
そう言って厨房の中から口髭を生やした人族のおじさんが出てきた。
「はい、はい。」
「お、お姉さんは悪くない・・・悪いのはわたし・・・」
「またそんな事を言う!そうやって自分を責めないの!前の時もそうやって・・・」
お姉さんはこっちをちらっと見て、そのまま黙ってしまった。
なんだ?前の時も?
お姉さんが優しく言った。
「自分を責めないで・・・お願い・・・」
「うん・・・。」
ミナは俯いて返事をした。
「夕食、注文しに来たんだろ?何にするかい?」
マスターが明るく言った。
僕らは和食のお弁当を注文した。