ミナ嫉妬しました
ミミ姉さんの設定をグラスウォーカー➡︎うさ耳のお姉さんに変更しました。
グラスウォーカーの胸はでかく無いし、お姉さん設定では無理がありました。
「お飲み物は如何ですか?」
うさ耳のお姉さんが手に伝票のような物を持ってやって来た。
うさ耳だけど顔も体も人だった。
服装は黒いメイド服だが残念ながらスカートはロング。肩は出していないし胸元を強調する服装でも無い。アキバのお姉さんとは全然違う。
けど綺麗で「素敵なお姉さん」と言う感じだった。
うん、このお姉さんいい。こう言う人が本当のお姉さんだったらいいのに・・・。
・・・・・ん?なんか視線を感じる。
ジ〜〜〜。
ジト目でミナがこちらを見ている。何故?
喉が渇いていたのでとりあえず何があるのか聞いてみた。
「コーヒーに紅茶、ソーダとオレンジジュース、レモネードがありますよ。」
「じゃあ紅茶でお願いします。」
「ミルクをつけますか?それともレモンにしますか?」
「ミルクでお願いします。」
「そちらはどうされますか?」
「私は・・・紅茶で、レモンにしてください。」
何故かミナの機嫌が悪い。
いや、本当は気付いている。
大概のラノベだと、主人公は気がつかないパターンが多いが、普通これぐらい分かると思う。
ミナが嫉妬している・・・。
そこまでの関係にはまだなっていないのだが・・・。
「かしこまりました。しばらくお待ちください。」
そう言うとうさ耳のお姉さんは二両目に歩いて行った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シーン。
さっきは顔を真っ赤にしていたのに、今度は顔が冷たい。
女の子は本当に分からない。
やがてうさ耳お姉さんが、注文した飲み物を持って来てくれた。
クッキーがサービスでついて来た。
砂糖も持って来て貰った。
紅茶にミルクを入れ砂糖を入れて飲む。
うん美味しい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シーン。
ミナが無口だ。
もともとあまり会話が出来てなかったけど・・・今回は機嫌が良くなくて会話が出来ない。
どうすれば機嫌が良くなるのか?
父は、母の機嫌が悪くなるとオロオロして、ひたすら謝っていた。
んー、あまり参考にならない?
いや、そうでもないか。
確か父は最初こそオロオロしていたが、母が落ち着くのを見計らって、不満も言わず反論もせず、じっと母の文句を聞いていた。最後の最後に少しだけ自分の意見を入れて、うまく母をコントロールしていた気がする。
そんな父を見て歳の離れた兄は策士と呼んでいた。
つまり、言いたい事を聞いてあげる事が良いのか?
まずはきっかけだが・・・。
「この紅茶美味しい。電車の中でこんな美味しいものが飲めるなんて思わなかったよ。」
「そうね・・・。自販機よりは美味しいわ・・・。」
うわーやさぐれてる!
怖い!負けるな自分!
「ミナは美味しくなかったの?」
ミナはティーカップに目を落として呟いた。
「美味しい・・・」
「この電車、キッチンでもあるの?」
「うん。二両目に・・・。夕食も頼めるわ。あとで案内してあげる。だけど・・・。」
ま、だいたい予想は付いていた。例の有名温泉地に行く大手私鉄は、世紀の特急電車が出来る前からこう言うサービスをしていた。それよりも・・・もうまどろっこしい。単刀直入に聞いた。
「だけど車内販売のお姉さんが嫌なの?」
ミナがコクリと頷く。
「そんな悪い人には見えなかったよ。」
「だって、タケルがじっと見ているんだもん。」
やっぱりそこか。まだつきあってもいないのに・・・。
でもそれは言ってはだめだ。
「いやな気分にさせてごめんね。これから気をつけるよ。」
「私、なんでこんな気分になったのかな・・・。あのお姉さん悪い人ではないって知っているのに・・・。だけど前にも・・・。」
「前にも?前から知っているの?」
「ううん。私が悪いの。私いやな娘・・・。」
「そんな事ないよ!ミナは駅で不安だった僕に声をかけてくれたし、この世界の事をいろいろ教えてくれた。それにミナの方がずっとかわいいよ!」
あれ?勢いに任せて変な事を言ってしまった。顔が熱くなった。また湯気が出そう。ミナも顔が真っ赤になった。
「あ、ありがとう。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シーン。
また静かになってしまった。