表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界電車の旅  作者: TOKU MATSU
異世界初日
12/99

ミナ嫉妬しました

ミミ姉さんの設定をグラスウォーカー➡︎うさ耳のお姉さんに変更しました。

グラスウォーカーの胸はでかく無いし、お姉さん設定では無理がありました。

「お飲み物は如何ですか?」

うさ耳のお姉さんが手に伝票のような物を持ってやって来た。

うさ耳だけど顔も体も人だった。

服装は黒いメイド服だが残念ながらスカートはロング。肩は出していないし胸元を強調する服装でも無い。アキバのお姉さんとは全然違う。

けど綺麗で「素敵なお姉さん」と言う感じだった。

うん、このお姉さんいい。こう言う人が本当のお姉さんだったらいいのに・・・。


・・・・・ん?なんか視線を感じる。

ジ〜〜〜。

ジト目でミナがこちらを見ている。何故?


喉が渇いていたのでとりあえず何があるのか聞いてみた。

「コーヒーに紅茶、ソーダとオレンジジュース、レモネードがありますよ。」

「じゃあ紅茶でお願いします。」

「ミルクをつけますか?それともレモンにしますか?」

「ミルクでお願いします。」

「そちらはどうされますか?」

「私は・・・紅茶で、レモンにしてください。」

何故かミナの機嫌が悪い。

いや、本当は気付いている。

大概のラノベだと、主人公は気がつかないパターンが多いが、普通これぐらい分かると思う。

ミナが嫉妬している・・・。

そこまでの関係にはまだなっていないのだが・・・。

「かしこまりました。しばらくお待ちください。」

そう言うとうさ耳のお姉さんは二両目に歩いて行った。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シーン。

さっきは顔を真っ赤にしていたのに、今度は顔が冷たい。

女の子は本当に分からない。


やがてうさ耳お姉さんが、注文した飲み物を持って来てくれた。

クッキーがサービスでついて来た。

砂糖も持って来て貰った。

紅茶にミルクを入れ砂糖を入れて飲む。


うん美味しい。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シーン。


ミナが無口だ。

もともとあまり会話が出来てなかったけど・・・今回は機嫌が良くなくて会話が出来ない。

どうすれば機嫌が良くなるのか?

父は、母の機嫌が悪くなるとオロオロして、ひたすら謝っていた。

んー、あまり参考にならない?

いや、そうでもないか。

確か父は最初こそオロオロしていたが、母が落ち着くのを見計らって、不満も言わず反論もせず、じっと母の文句を聞いていた。最後の最後に少しだけ自分の意見を入れて、うまく母をコントロールしていた気がする。

そんな父を見て歳の離れた兄は策士と呼んでいた。

つまり、言いたい事を聞いてあげる事が良いのか?

まずはきっかけだが・・・。

「この紅茶美味しい。電車の中でこんな美味しいものが飲めるなんて思わなかったよ。」

「そうね・・・。自販機よりは美味しいわ・・・。」

うわーやさぐれてる!

怖い!負けるな自分!

「ミナは美味しくなかったの?」

ミナはティーカップに目を落として呟いた。

「美味しい・・・」

「この電車、キッチンでもあるの?」

「うん。二両目に・・・。夕食も頼めるわ。あとで案内してあげる。だけど・・・。」

ま、だいたい予想は付いていた。例の有名温泉地に行く大手私鉄は、世紀の特急電車が出来る前からこう言うサービスをしていた。それよりも・・・もうまどろっこしい。単刀直入に聞いた。

「だけど車内販売のお姉さんが嫌なの?」

ミナがコクリと頷く。

「そんな悪い人には見えなかったよ。」

「だって、タケルがじっと見ているんだもん。」

やっぱりそこか。まだつきあってもいないのに・・・。

でもそれは言ってはだめだ。

「いやな気分にさせてごめんね。これから気をつけるよ。」

「私、なんでこんな気分になったのかな・・・。あのお姉さん悪い人ではないって知っているのに・・・。だけど前にも・・・。」

「前にも?前から知っているの?」

「ううん。私が悪いの。私いやな娘・・・。」

「そんな事ないよ!ミナは駅で不安だった僕に声をかけてくれたし、この世界の事をいろいろ教えてくれた。それにミナの方がずっとかわいいよ!」

あれ?勢いに任せて変な事を言ってしまった。顔が熱くなった。また湯気が出そう。ミナも顔が真っ赤になった。

「あ、ありがとう。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シーン。

また静かになってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ