01.もやもやして気がかり(親友・茜 視点)
茜の親友の一人、ユリは、とても良い子だ。クラスで飛びぬけた美人でもある。
だから、どうして、と様子を見るたびにモヤモヤする。
ユリは間違いなく、レオの事が好きだ。そうユリから教えられたことはないけれど、態度から分かる。きっと他の皆も察している。
レオもクラスで飛びぬけて美男子。性格も良い。
だけどレオは、別の子に片思いをしている。
スクールバスは長距離の子どもたちを集めて回る。だから学校につくまでの時間でみんなで騒いで、学校では勉強だけしてすぐに帰る。
そのバスの中で、いつのまにか恋人が決まっていく。
茜には恋人ができた。蒼と毎日楽しく話しながら学校に行く。
バスを降りて、自然と仲のいいグループにまとまりながら教室に向かう。最近ではほぼ皆に恋人ができたから、ほとんどが二人セットだ。
そんな時に、ユリも、レオも、一人になる。
だから茜は、おせっかいにも、言ってしまう。
「ユリのとこに行きなよ」
楽しそうになんてことのないように。
レオだって、自分の居場所を探すようにしているのだ。
だけど、仕方なさそうに少しだけ首を傾げ、レオは決してユリの隣に行こうとはしない。
きっと、誰よりもお似合いの二人だと思うのに。
レオの好きな相手には、もう恋人ができているのに。
ユリは、レオが好きで、本当に賢くて優しくて、美しいのに。
ちなみに茜の彼氏の蒼は、レオとも仲が良いけれど、茜を咎める事も、レオとユリの間を取り持つこともしない。
それで良いと茜も思う。