表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/17

六話

「あいつ……、風祭家の坊っちゃんとの決闘に勝った奴だぜ……?」

「そうそう……! でも、SクラスがCクラスに負けるなんてね……」

翌日、学校に着くと、昨日の決闘の話題でもちきりだった。

「Cクラスのあいつで勝てたんなら、俺達でも勝てるんじゃね?」

そんな事言っているBやAクラスの連中も居た、同学年だけじゃなく、上級生迄。

「(いやいや……、無理でしょう? 少なくとも、クラスの上下だけで、媚びたり見下したりしている内は……)」


「零君、おはよう! 昨日は凄かったよね! 私はせいぜい、魔術の球を上手くコントロール出来るのは10個位迄だよ?」

クラスに入って、テンション高く声を掛けて来たのは、後ろの席の渡邉さんだ。

「おはよう、渡邉さん。渡邉さんでも、20個位迄、練習すれば行けると思うよ? こんな感じかな?」

僕は、渡邉さんに挨拶を返して、魔力の球を20個作り、ピエロよろしく、お手玉のようにジャグリングをして見せた。

「オーッ!」

歓声を上げたり、見入っているクラスメイトの面々……。

「さらに、こんな事も出来るよ……?」

僕は、球を一斉にコントロールして、机に突っ伏して寝ている火祭君の近くに持って行き、指を弾いた。パンっ!

パンっ!と球は音を立てて弾け、火祭君はびっくりして起き上がり、椅子から盛大に落ちた。

「こんな感じかな……?」

そう言いながら、渡邉さんに向き直った……。

「凄~い! 零君、私の師匠になってください!」

手を握って、懇願された。

「学校にいる間なら良いよ?」

僕は、渋々、了承した。

目立つつもりは無かったんだけど、こちら側に引き込むには良いかもしれない……。というか、決闘の時点で手遅れだよな……、逆に向こうから寄ってくれるだろうから好都合かも?


まあ、最終的には、渡邉さんだけでは無くなったんだけどね……。

火祭君は、どうなったかって?


「いてえな!」

火祭君は、そう言いながら起きた。

「おい、皆、何を盛り上がっているんだ?」

寝ぼけながら、そんな事を呟いた火祭君だったが、クラスメイトの連中の耳には入っていないようだった……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ