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五話

「流石ですね……、当主様」

忘れていた……、ここには夜鷹家郎党子息の同年代の連中がいた事を……。彼らも実力を偽って第三魔術武術学院に入学していた。彼らは、自分と共に訓練を積み、且つ、自分の中二病的な智識で、魔術においては先代のレベルを越してしまった連中で、共に依頼をこなして来た仲間だ。自分は高等部、彼らは中等部に在籍している。普段は、屋敷の雑用をしていたり、隠密をこなしていたりする。まあ、全員が郎党子息ではなく、教会の連中により被害を受けた者の子息で、保護した者達も少なからずいる。

「いやいや……、偶々だよ? それに戯れ事だし……」

僕は、賛辞を送る仲間に返事をする。

「それよりも、当主様の言われた通り、彼の学院にも、教会の息が掛かった連中が何人か入り込んでいるみたいですよ……、聖女以外にも、勿論、学生だけでなく、教師の中にも」

仲間の一人が報告をあげる。

「そうなんだ……。まあ、政治家の中にも教会の息が掛かった連中が入り込んで、教会にとって都合良い政策を行わせるように工作仕掛けているみたいだからね……、献金やハニートラップだけでなく。学院の中に入り込んでいても、不思議ではないね……。学生を教会の戦力として誘い込む事も狙いの一つとしてあるんだろう……。聖女サマ自身は思ってないかもしれないけど、教会側の意図は、傍に居させて、僕達の動きを報告させる事にあるだろうね……」

僕は、淡々と推測を述べる。

「暫くは、様子を見てくれ。強引な誘い込みや脅しを用いた入信の強制等を見かけたら伝えてくれ。場合によっては、致し方ない……ね」

「「「「承りました」」」」

僕は、外を見やる。

「後……、教会の隠密達が潜んでいるから訊問しておきなよ? 吐かないだろうけど……。加えて、自爆魔術はきっちり解除だよ? この手の者達は、皆、つけられているからね」

「「「「はい!」」」」


金沢某所

「夜鷹零をつけていた隠密隊が消息を絶ちました」

「気づかれたか? だが、彼らは自爆魔術をつけている。自白する事があれば、自爆魔術が発動してわれらの情報が漏れる事は無いし、あわよくば、彼らを始末できるだろう……」

男達はほくそ笑みを浮かべていた……。


「それは無いよ、おじさん達?」

そこに突然現れたのは、件の少年だった……

「なっ……! 何故だ?」

男達は、あり得ない光景に狼狽えた。

「僕が、自白したら自爆魔術発動する事を想定しないとか、はたまた、自爆魔術を解除できないとか、推測していた訳? それは甘い考えだったね……」

男達は、表情を戻し、にやける。

「甘いのは、お前の方……、グハッ!」

男が言いきる前に剣で胸を貫いた。

「残念ながら、お仲間さんには、お先に眠って頂きましたよ? 永遠に、ね」

そう言い残すと、少年は、その場から消えた、と同時に男達が潜んでいた建物は大爆発を起こし、跡形も無くなった……そうな。





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