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会話がしたいお年頃(落とし何処ナシ)2

作者: 已み五月


「・・・なぁ」


「ん?」


「“モテ期”・・・ってあるじゃないか」


「うん」


「あれってのはきっと、『モテたい』って思うからこそ気付けるものなんじゃないかなと最近思うようになった訳ですよ。何というか、『恐らく心の何処かにはある筈』とか、そういうちっぽけな存在価値じゃないからこそ“モテ期”が存在するって感じ?」


「うわー」


「ちょっと待ってくれ。何もそこまで退かなくても」


「モテないと人はどうでもいいような事に気付いたりするんだなーって意味のうわーだったりしちゃう」


「やいやい!そんな『どうでもいい~』だなんて、人に言って良い事と悪い事くらいあるだろ!」


「良い事ではないかもしれないけれど、悪気もないのよ?」


「もっと悪いわ!!」


「私は善意無過失です」


「ギルティ!!」


「失礼しちゃうわ。私は昔からずっと今も変わらず、相も変わらず、根っからの性善説派よ?」


「法も礼もへたっくれもねーな!!」


「でも、アレね。・・・当たり前の事なのかもしれないけれど、確かに意識してなきゃ気が付かない事なのかもしれないね」


「そうなんだよ。無意識なのかは知らないけど、気が付かないヤツにはきっとモテ期ってモノは存在しないんだよな。例えば、周りが『アイツはモテてる』と思っていても当の本人がモテてる事に気が付かないか意味がないみたいな」


「それって、無意識っていうよりは無自覚なんじゃない?だって実際にモテてる訳だし。『モテたい』って意識してないにしても、モテてる現状に気が付かない事に問題があるというか・・・」


「・・・無自覚か。確かにそうだな。つまりはアレか。無意識じゃあなくて前意識って事になる訳か」


「うーん。意識なのか認識なのかで全然違う別の話しになっちゃうもんね。・・・あーダメだ。頭痛くなりそう」


「でも、どうだよ?そう考えると、どうでもいい事も結構どうでもよくない事だったりするんだぜ?」


「ドヤ顔でさえなければ首を縦に振ったのに」


「だからってヤレヤレ顔で首を横に振るなよ」


「・・・で、ボッチ君はどうなの」


「・・・何の話しだよ?」


「モテ期よ、モテ期。話題に挙げたって事は・・・つまり?」


「おいおい止めてくれよ。僕のモテ期なんて、それこそどうでもいい事だろ?」


「何を誤魔化そうとしてるの?全然どうでもよくないよ、ボッチ君。というか、話してくれるまで逃げがさないし、言い逃れもさせないよ?」


「うわっ・・・墓穴掘っちまった」


「やったね。虎児ゲットだ」


「それは虎穴!」


「どっちも一緒でしょ?」


「何ひとつ一緒じゃねーから。墓ん中に虎の赤ちゃんが居るってどういう状況だよ・・・」


「で、どうなの?」


「・・・マジかよ。というか、話す必要あるのか?もう、“今更感”しかないぞ?」


「うん。知ってるよ」


「知ってんの!?」


「敢、え、て、聞いてるの」


「ニヤニヤしやがってお前・・・。男に産まれなかった事を両親に感謝するんだな。」


「どうして?」


「お前が男だったら、全力でお前の顔面をぶん殴ってたとこだぞ」


「はい、ギルティー」


「ウルセーよ!この性善信者がッ!!」


「あれは嘘よ」


「なっ!?お前、根っからの性悪女じゃねーか!」


「“説”くらい付けてよ。説がないとまるで私が性悪女にみたいに見えるじゃない!」


「お前の読者に対する好感度なんて知らねーよ!というか、少なくとも僕は性悪だと思ってるし」


「はい、2ギルティー」


「ウルセーよ!」


「私は善意無過失なのです」


「ホントにウルセーよ!!」


「翻って」


「いや、このタイミングで!?」


「結局のところはどうなの?」


「・・・あー、アレだよ。僕のモテ期は赤ちゃんの時に終わってしまったってやつ?それだよ」


「ネット掲示板の面白い自虐書き込みみたいな事言ってないでよ」


「いやいや、ホントだって。0歳の時に全部終わってしまったんだよ」


「早いよ。二つの意味で早いよ。・・・あ!でも、“モテ期”って確か人生で『三回は来る』って言われてるじゃない?」


「まぁね。でも、僕のモテ期は0歳の夏期、秋期、冬期で終わってしまったんだよ」


「そんな・・・最近のアニメじゃないんだから」


「逆に考えてみろよ。今時のアニメの三クールって結構長いぞ?凄くね?」


「・・・でもさ、もう続編も次回作も絶対にないんだよ?」


「・・・あっ」


「三クールもやって続きがないってさ・・・もしかして、最終回に何かあったんじゃ?」


「・・・ふ、不吉な事をいうのは止めてくれよ」


「・・・ハイハイが出来るようになったとか?」


「絶対感動するじゃん!!最高の最終回じゃねーか!!」


「・・・・・・最終回だけクソアニメ乙」


「聞こえてるからな!というか、僕は這いつくばって進む事すらも否定されるのか!?」


「何が悪かったんだろー?シナリオかなー?」


「俺の人生(モテ期)にケチつけんな!!」


「じゃあ、監督かなー?」


「両親の悪口だけはマジでヤメロッ!!」


「ボッチ君のモテ期は終わってしまった・・・!?」


「ゴメン!ネタが分からないや、それ」


「夢も希望もないのね」


「元も子もないんだ」


「まぁ、根も葉もない話しだもんね」


「返す言葉もないよ」


「身も蓋もないし、味も素っ気もない」


「もう止めない!?」


「恥も外聞もないね」


「そこまでして僕を弄り倒したいのかよ!?」


「・・・将来にモテる希望はありましたか?」


「・・・いや、何で小声なんだよ?・・・もう、進行形で絶望しかないよ」


「・・・あーあ」


「な、何だよ?」


「面白くないし、失望しちゃった」


「失望!?失望させちゃうレベルだったの!?」


「うん、だったの。・・・失望したし、失恋しそう」


「・・・・・・・・・え?」


「え?」


「・・・・・・・・・・・・・・・えぇぇぇッ!?」



~~~【『モテ期ッ!!』第二期。カミングスーン】~~~



「・・・あれ?ホントは一期目じゃないの?」


「身も世もなくなるぞ!!」



前書きも能書きもリア充要素もありません。

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